EXHIBITIONS
恵比寿映像祭2024 地域連携プログラム
彼方の世界:篠田太郎 狩野哲郎 大舩真言 SPREAD 赤塚不二夫&赤塚りえ子
ALで「恵比寿映像祭2024 地域連携プログラム 彼方の世界:篠田太郎 狩野哲郎 大舩真言 SPREAD 赤塚不二夫&赤塚りえ子」が開催される。
恵比寿映像祭 2024 は「月へ行く30の方法」という総合テーマのもと、「最先端の科学技術や理論以上に、一見それとは結びつかないようなアーティストたちの思考や実践が、新しい発見や創造につながり、月へ向かうための大きなヒントになる」(公式ステイトメントより)と掲げ、その可能性を写真や映像など多様な表現によって紐解いていく試みだ。本展ではこのテーマを出発点として、人間の身体や意識にもとづくスケール感や、現世的な意味や価値から距離をとり「わからなさ」に向き合おうとする創作活動に着目。見る者の固定観念や既存の視座を一新させ、新たな知覚や次元の異なる世界認識が「彼方の世界」にあることを想像させてくれる5組の作家を紹介する。
篠田太郎(1964〜2022)は造園を学び、その後作家活動を開始。人間と自然の関わりを深く問いかけ、その関係性のあるべき姿をめぐる豊かな着想に満ちた概念を多彩な手法で表現した作品を制作している。生前、篠田は多岐にわたる作品を制作してきたが、実現されていない作品の制作過程のスケッチや資料も数多く残されている。それらは作家の脳内で着実に構築されていた何ものかの概念図であり、現世の縁側に座って未来の庭を構想 するように、いまだ見ぬ世界を同時代に先駆けて認知しようとした手がかりと考えられる。
狩野哲郎(1980〜)は、生物から見た世界/狩猟/漁業/測量などを軸として、国内外でリサーチ・滞在制作を行っている。モノや空間がそれらがあらかじめ持っていた意味や機能から逸脱して扱われることにより、人間にとっての価値観や認識に頼らない、新たな知覚や複数の世界認識の存在を想像させる作品を制作。本展では、古典天文学の時代に、天体の相対位置や惑星の運行を示すために用いられたという機械仕掛けの模型 「Orrery/Planetary Machines」に着想を得た新作のモビールを発表する。さらに、既成品のアッサンブラージュ、 鋳込み成形による磁器、キャストガラスなどを組みあわせた立体作品を展示。造形的な美しさを持つ「オブジェ クト」として完結しながら、同時に他者のための「風景」を構成する要素として、同作は新たな世界認識を示唆し、モ ノや場所の意味や価値を問い続ける。
大舩真言(1977〜)は大学で日本画を専攻した後、おもに広義の顔料を用いた作品を制作。造形的・色彩的 に極限まで削ぎ落とされた大舩の作品は、作品と場と人との相互作用により豊かな空間体験を創出し、ときに天体の物質性や並行世界の存在をも想像させる。ストーリーを持った鉱物を素材とする大舩の作品は、日常の認識を 超越した途方もない次元の時空間と歴史的記憶を意識させ、人間の想像力のキャパシティに訴えかる。
SPREADは1976年生まれの山田春奈と小林弘和によるクリエイティブ・ユニット。長い時間軸で環境をとらえるランドスケープデザインの思考と、鮮烈な印象を視覚に伝えるグラフィックデザインの手法を融合させ、環境・生物・ 物・時間・歴史・色・文字、あらゆる記憶を取り込み「SPREAD=広げる」クリエイティブを行っている。遠目で見ると抽象画のように見える2点の平面作品はQR コードによって構成されている。デジタルテクノロジーの進歩は外界への接続を解放し、多様で複雑な世界が目の前 に開かれている。そのいっぽうで、モニターを通して知る世界は閉塞的で、分断と対立に満ち、災禍に脅かされている。
漫画家・赤塚不二夫(1935〜2008)は、『天才バカボン』に代表される数々のヒット作を世に送り、まったく新しい ギャグ漫画の世界を切り拓きた。手塚治虫に影響を受けて漫画家を志し、56年にはトキワ荘に入居した赤塚は、『おそ松くん』、『ひみつのアッコちゃん』、『もーれつア太郎』といった代表作を生み出した。本展では、企画者が幼少期に固定観念を粉砕された名作『実物大マンガ』が掲載された『少年マガジン』の原本を象徴的に展示。
不二夫の愛娘であるアーティスト・赤塚りえ子(1965〜)は、クラブ・カルチャーを追って94年に渡英し、ロン ドンで現代美術を学ぶ。現在東京とロンドンを拠点に、ネオン管や映像を効果的に使った立体作品やインスタレ ーションを制作している。本展では極楽浄土で遊ぶパパとのコラボレーションとなる「ひみつの仏壇」を展示。
恵比寿映像祭 2024 は「月へ行く30の方法」という総合テーマのもと、「最先端の科学技術や理論以上に、一見それとは結びつかないようなアーティストたちの思考や実践が、新しい発見や創造につながり、月へ向かうための大きなヒントになる」(公式ステイトメントより)と掲げ、その可能性を写真や映像など多様な表現によって紐解いていく試みだ。本展ではこのテーマを出発点として、人間の身体や意識にもとづくスケール感や、現世的な意味や価値から距離をとり「わからなさ」に向き合おうとする創作活動に着目。見る者の固定観念や既存の視座を一新させ、新たな知覚や次元の異なる世界認識が「彼方の世界」にあることを想像させてくれる5組の作家を紹介する。
篠田太郎(1964〜2022)は造園を学び、その後作家活動を開始。人間と自然の関わりを深く問いかけ、その関係性のあるべき姿をめぐる豊かな着想に満ちた概念を多彩な手法で表現した作品を制作している。生前、篠田は多岐にわたる作品を制作してきたが、実現されていない作品の制作過程のスケッチや資料も数多く残されている。それらは作家の脳内で着実に構築されていた何ものかの概念図であり、現世の縁側に座って未来の庭を構想 するように、いまだ見ぬ世界を同時代に先駆けて認知しようとした手がかりと考えられる。
狩野哲郎(1980〜)は、生物から見た世界/狩猟/漁業/測量などを軸として、国内外でリサーチ・滞在制作を行っている。モノや空間がそれらがあらかじめ持っていた意味や機能から逸脱して扱われることにより、人間にとっての価値観や認識に頼らない、新たな知覚や複数の世界認識の存在を想像させる作品を制作。本展では、古典天文学の時代に、天体の相対位置や惑星の運行を示すために用いられたという機械仕掛けの模型 「Orrery/Planetary Machines」に着想を得た新作のモビールを発表する。さらに、既成品のアッサンブラージュ、 鋳込み成形による磁器、キャストガラスなどを組みあわせた立体作品を展示。造形的な美しさを持つ「オブジェ クト」として完結しながら、同時に他者のための「風景」を構成する要素として、同作は新たな世界認識を示唆し、モ ノや場所の意味や価値を問い続ける。
大舩真言(1977〜)は大学で日本画を専攻した後、おもに広義の顔料を用いた作品を制作。造形的・色彩的 に極限まで削ぎ落とされた大舩の作品は、作品と場と人との相互作用により豊かな空間体験を創出し、ときに天体の物質性や並行世界の存在をも想像させる。ストーリーを持った鉱物を素材とする大舩の作品は、日常の認識を 超越した途方もない次元の時空間と歴史的記憶を意識させ、人間の想像力のキャパシティに訴えかる。
SPREADは1976年生まれの山田春奈と小林弘和によるクリエイティブ・ユニット。長い時間軸で環境をとらえるランドスケープデザインの思考と、鮮烈な印象を視覚に伝えるグラフィックデザインの手法を融合させ、環境・生物・ 物・時間・歴史・色・文字、あらゆる記憶を取り込み「SPREAD=広げる」クリエイティブを行っている。遠目で見ると抽象画のように見える2点の平面作品はQR コードによって構成されている。デジタルテクノロジーの進歩は外界への接続を解放し、多様で複雑な世界が目の前 に開かれている。そのいっぽうで、モニターを通して知る世界は閉塞的で、分断と対立に満ち、災禍に脅かされている。
漫画家・赤塚不二夫(1935〜2008)は、『天才バカボン』に代表される数々のヒット作を世に送り、まったく新しい ギャグ漫画の世界を切り拓きた。手塚治虫に影響を受けて漫画家を志し、56年にはトキワ荘に入居した赤塚は、『おそ松くん』、『ひみつのアッコちゃん』、『もーれつア太郎』といった代表作を生み出した。本展では、企画者が幼少期に固定観念を粉砕された名作『実物大マンガ』が掲載された『少年マガジン』の原本を象徴的に展示。
不二夫の愛娘であるアーティスト・赤塚りえ子(1965〜)は、クラブ・カルチャーを追って94年に渡英し、ロン ドンで現代美術を学ぶ。現在東京とロンドンを拠点に、ネオン管や映像を効果的に使った立体作品やインスタレ ーションを制作している。本展では極楽浄土で遊ぶパパとのコラボレーションとなる「ひみつの仏壇」を展示。
