EXHIBITIONS

ジョニー・メイ・ハウザー、アルド・バン・デン・ブローク「UNDERCURRENT」

2023.09.29 - 10.22

会場風景

 SOM GALLERYで、オランダを拠点に作家活動を行うジョニー・メイ・ハウザー(Johnny Mae Hauser)とアルド・バン・デン・ブローク(Aldo van den Broek)のアジア初となる展覧会「UNDERCURRENT」が開催されている。

 ハウザーは1997年生まれのオランダ系ドイツ人のアーティスト。ハウザーは、写真表現を用いて、人間の感情の曖昧な存在を繊細にとらえることに挑戦している。ハウザーの詩的な色使いとイメージの匿名性によって、内省や孤独、親密さといったテーマが一つになる表現を生み出している。

 ヴァン・デン・ブロークは、1985年生まれ。独学で表現を学び、街のなかから厳選した廃材を使用することで、被写体を再構築、再コンテクスト化し、卓越した技術と遊び心溢れるアッサンブラージュのテクニックを組み合わせて表現を行っている。表現媒体も、質感のあるキャンバスや彫刻など、独自の視点を切り口に抽出し表現に昇華している。

 ハウザーとヴァン・デン・ブロークは、本展示タイトルでもある「UNDERCURRENT」というテーマで、人間生活の平穏で、しばしば見過ごされる側面に焦点を当てている。ハウザーの写真は、静謐で内省的なイメージを持ち、人間が持つ感情の神秘的な領域をとらえている。対照的に、ヴァン・デン・ブロークは、大都会や荒涼とした風景、見知らぬ人々の謎めいた部分からインスピレーションをもらい、質感のある作品を通して、社会の奥底に存在するものを探求している。両作家とも、自分自身の体験の機微な部分にじっくりと目を向け、人間という存在の隠れた奥深さに感受性を持って触れるよう強く促している。

 本展で、ハウザーは7点の写真作品を、ヴァン・デン・ブロークは、大小14点ほどのペインティング作品を発表している。