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EXHIBITIONS

富山新聞創刊100年記念

「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容ー瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄

2023.06.03 - 07.17

メインビジュアル

雑誌 『フォトタイムス』15巻5号表紙 (写真:阿部芳文(展也)撮影) 1938

大辻清司 無言歌 1956 千葉市美術館蔵

瀧口修造 《私の心臓は時を刻む》より 1962 富山県美術館蔵

牛腸茂雄 SELF AND OTHERS 1977 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵

 富山県美術館で 「富山新聞創刊100年記念『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容ー瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」が開催される。

 日本の写真史において前衛写真は、シュルレアリスムと抽象主義の影響を受けて1930年代に台頭した。1938年には 「前衛写真協会」が結成され、中心人物であった瀧口修造は、写真の本質である記録性を重視し、技巧に走りつつあった当時の傾向に警鐘を鳴らし、超現実主義は 「日常現実のふかい襞のかげに秘んでいる美を見出すこと」であると主張した。

 一緒に協会を立ち上げた阿部展也は、瀧口に共鳴し、オブジェや風景の写真を発表した。2人の影響を強く受けた大辻清司は、 「なんでもない写真」と題したシリーズを手掛ける。そして大辻の愛弟子の牛腸茂雄は、技巧に凝らず日常を誇張なしに撮影した 「コンポラ写真」の代表的な一人として注目された。

 本展は、1930年代の前衛写真から1980年代への展開のなかに連綿と流れてきた瀧口の思想の様相を、4人の作品や資料を中心に、ウジェーヌ・アジェ、マン・レイなど関連作家の作品を加えて紹介する。