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「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐 」(脱境界:インターアジアの木版画実践)

 東京藝術大学大学美術館陳列館で「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐 」(脱境界:インターアジアの木版画実践)が開催される。

 近年、アジア各地の木版画による芸術・文化実践が再び注目を集めている。20世紀初頭に中国の作家魯迅によって提唱された木版画運動は、一時下火となりつつも2000年代以降、社会や政治の問題を表現するメディア、直接行動や集団的創造の方法として一部の芸術家や社会活動家たちによって取り入れられ、アジア各地で国境を越えた交流・ネットワークを生み出した。

 本展ではそのような21世紀の「木版画運動ネットワーク」に焦点を当てる。とりわけ2020年に始まったパンデミックは、人やモノの移動を一元的に管理する国境や、差別や排外主義などの社会的、心理的な分断の問題を現前化させた。本展は私たちの生や世界を囲い込むこれらの「境界」を主題化し、そこからの離脱・解体を志向するトランスナショナルなアジアの木版画実践とそのネットワークについて紹介する場になるという。

 また、会期中は出品作家、研究者によるシンポジウム、ガイドツアー、ワークショップなどが企画され、会場1階ではパンクとアートの関係性を主題とした巡回展「Punk! The Revolution of Everyday Life @ 東京藝大」が同時開催される予定。