EXHIBITIONS

光受容器の夢 黒坂祐

黒坂祐 windscreen(house) 2022

黒坂祐 windscreen(butterfly) 2022

黒坂祐 sun salutation 2022

 MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYは、黒坂祐の個展「光受容器の夢」を開催する。

 黒坂は1991年千葉県生まれ。17年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業、19年同大学大学院美術研究科絵画専攻修了。これまで黒坂は、自身のD型色覚(2型2色覚)という色覚特性をオリジンに、一般色覚者の体験する慣用的な色と、自身の視覚や体験から感じる色とのギャップを考察した絵画を制作。主観と客観の境界に踏み込んだ唯一無二の作品は高く評価され、19年には「シェル美術賞」グランプリを受賞している。

 本展では、黒坂が実際に見た風景と薄れた記憶や夢のイメージが入り混じった状況を描き出し、「見る」という行為を新たな観点から問い直す。作家は次のステイトメントを出している。

「過去に自分が通った道を再び通りかかるときに、当時の自分の姿を想像することがあります。それはなぜか主観的な視点ではなく、対岸を歩く人や犬、鳥、またはすれ違う自動車から見えたであろう第三者的な視点で想像されます。夢を思い出すときにも似た感覚を覚えることがあります。これは目で見ることとは違った『見る』行為だと解釈しています。このふたつが重なり、混じり合ったイメージこそ本当に私が見ている風景なのではないかと考えています(黒坂祐)」。