EXHIBITIONS

没後80年 竹内栖鳳

京都画壇の俊英たちとともに

竹内栖鳳 雨霽(左隻) 1928 足立美術館蔵

竹内栖鳳 雨霽(右隻) 1928 足立美術館蔵

竹内栖鳳 江南春寺静 1921 足立美術館蔵

竹内栖鳳 魚肥山果熟 1925 足立美術館蔵

竹内栖鳳 爐邊 1935 足立美術館蔵

 足立美術館の秋季特別展では、「没後80年 竹内栖鳳 京都画壇の俊英たちとともに」が開催される。

 日本画壇に大きな功績を残した画家・竹内栖鳳(たけうち・せいほう、1864~1942)。円山・四条派の伝統的な写生を学び、さらに数多くの流派を研究した栖鳳は、1900(明治33)年に渡欧すると、帰国後は西洋画の写実表現を日本画に取り入れた新画法を創出するなど、新しい画境を拓いたことで知られる。

 また、画風の新しさと画技の高さから新時代の指導者として名を馳せたほか、1937(昭和12)年には第一回文化勲章を受章し、京都画壇を代表する立場を担い続けた。

 本展は栖鳳の没後80年を記念し、同館の大展示室および小展示室を使って、多彩な栖鳳作品を紹介する。同時に、栖鳳と同時代に京都で活躍した画家たち、画塾「竹杖会(ちくじょうかい)」や京都市立絵画専門学校で栖鳳に学んだ画家、そして栖鳳が顧問を務めた国画創作協会(こくがそうさくきょうかい)の画家たちの作品もあわせて展示する。

 出品作は、中国の穏やかな春の風景を描いた《江南春寺静》や、栖鳳の卓越した筆遣いが示された大画面の屛風《雨霽》など。足立美術館のコレクションのなかから選りすぐりの作品を堪能できる。

 そして栖鳳の周辺の名のある画家たちの作品をともに一望することで、栖鳳が京都画壇に与えた影響の大きさが感じられる展覧会となる。