EXHIBITIONS

Timo Herbst in collaboration with Marcus Nebe

プレイ バイ ルールズ

©︎ Timo Herbst and Marcus Nebe

©︎ Timo Herbst and Marcus Nebe

©︎ Timo Herbst and Marcus Nebe

 ドイツ人アーティスト、ティモ・ハーブストとマーカス・ネベのコラボレーション「プレイ バイ ルールズ(Play by rules)」による展覧会が、京都のLaboratory of Art and Formで開催されている。

 本展では、抗議集会の様子を映す、5画面のヴィデオ・インスタレーションを展開。会場に足を踏み入れた瞬間に観客は、政治的および社会的な抗議や要求の主張を掲げ、集まっている民衆の集会の真只中に引きずり込まることとなる。

 5画面に映し出される抗議集会は、別々の場所や国で撮影され、同じ主張のために集まっているわけではないが、人々が大声をあげ、泣き叫び、怒りを表す感情的な行動や暴力的なジェスチャーが、いずれの画面でも同様に示されている。携帯電話の普及で写真や動画を撮ることが誰にでもできるようになった現状で、テレビ番組制作者、ライブレポーター、ブロガー、活動家、扇動者、挑発者、批評家などが描き出すそれぞれの映像は、多角的な視点を主張しながら、解釈の主権そのものは定まっていない。

 ハーブストとネベの2人は、この抗議集会の背後にあるものは何なのか、人々は何に立ち向かい怒りをぶつけているのか、誰と戦い、誰に勝利したいのか、ヴィデオ・インスタレーションのなかでそのことだけを映し出そうとしているのではないという。 2人が見せるヴィデオ・インスタレーションは、世論から生み出されるイメージが誕生する激動の瞬間に、私たちを立たせる。

 会場ではヴィデオ・インスタレーションとともに、ハーブストによる15世紀から現在までのドイツ語圏の国々の、公共空間における、抗議の連鎖の記憶を視覚的に表現したドローイングも展示されている。

 なお本展覧会は、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川とifa(ドイツ対外文化交流研究所)からの支援を受けて開催される。