EXHIBITIONS

ナカバヤシアリサ 個展 「流るるところ」

ギャラリー KTO・サブスティテュート
2022.08.12 - 08.21

ナカバヤシアリサ Untitled 刻む(Untitled reflection) 2022

ナカバヤシアリサ The other side 2021

 アーティスト・ナカバヤシアリサの個展「流るるところ」が、ギャラリー KTO・サブスティテュート(ブルードレス渋谷店内)で開催される。

 ナカバヤシは1992年東京都生まれ。2017年に多摩美術大学油画専攻を卒業後、18年にアートスタジオLIONに加入し、主な個展に「静かなる森」(個展シリーズ「BankART Under35 2022」、BankART KAIKO、横浜、2022)、「Cross Section Portrait」(LAUNCH PAD GALLERY、横浜、2019)などがある。

 本展の会場となる「ギャラリー KTO・サブスティテュート」は、渋谷神南のモッズファッションショップ「ブルードレス」店内の壁にアート作品を展示していくプロジェクト。ナカバヤシの制作について、以下のステイトメントを出している。

「ナカバヤシは幼い頃から日本という国で女性として生きてきて、癒しがたい肉体の苦しみを感じてきた。その傷を癒すための作業なのか、それとも今助けを求めている人に手を差し伸べるためなのか。どちらかだけということはないはずだ。そんな自分の世界を物質化することが、誰かを理解することへの唯一の方法であり、社会との繋がりにもなっている。ナカバヤシはスムースな支持体の上に、オートマティズムと素早いブラシストロークで森や川にも見える滲みのようなものを描く。道に出ないようにと不自然にカットされた街路樹は誰もその声に耳を傾けてもらえなかった彼女に、庭園を流れる水は人から守られ暗闇を出ることのない彼に、一見そこに描かれたものは、鑑賞者のバックグラウンドや世の中の課題によってたえず変化し、絵画の身体を経験させ他人の痛みを想像させる装置となり得る。すると風景画にも見える絵が生々しい人々のリアルとして表現されている(ステイトメントより抜粋)」。