EXHIBITIONS

山内祥太 個展「愛とユーモア」

2022.07.16 - 08.12

山内祥太 Tina growing 2022

彫刻制作風景

山内祥太 コンドルは飛んでいく 2015

山内祥太 steve olesがこちらをみている! 2015

山内祥太 SASUKE 2014

 EUKARYOTEでは、アーティスト・山内祥太による個展「愛とユーモア」を開催する。

 山内祥太は1992年生まれ、2016年に東京藝術大学映像研究科メディア映像専攻を修了。3DCGとクロマキー合成を組み合わせた映像制作から作家キャリアをスタートさせ、近年はVRといった最新の技術と身体的なパフォーマンスを組み込んだ作品づくりに取り組んでいる。

 昨年の「TERRADA ART AWARD 2021」ではインスタレーション作品《舞姫》を展示。大型ディスプレイに映し出された皮膚をまとうゴリラと、生身のパフォーマーがモーションキャプチャーを取り付けたスーツを介してつながる様子を、人間とテクノロジーとの恋愛にたとえた。肉体的・精神的なつながりを求め合う両者の関係を描き出した本作は大きな反響を呼び、金島隆弘賞とオーディエンス賞を受賞した。

 本展で発表する彫刻と映像による新作《Tina》は、愛そのものをかたちづくりたいという山内の思いが、極めてフェティッシュな姿で立ち現れる。

 無数の長い毛で覆われた身体は、愛する対象との同化を望む、ある種倒錯した感性そのものが具現化した姿として受け取ることができ、作品制作の上で臭覚や触覚を頼りにする山内が、それらの感覚を通じて引き起こされる感情を、彫刻という実体として、または映像というイメージとして、鑑賞者に対しいかに呼び起こすことができるかという挑戦でもある。

 また新作に加え、《SASUKE》や《コンドルは飛んでゆく》など、キャリア初期の映像作品のスクリーニングも行う。

 これらの映像は簡素な3DCGで構成された世界に山内自身が登場し、山内が撮影した有象無象の風景が再構築された荒削りな質感のなか、軽快に冒険する姿が特徴的だ。当時、3Dスキャンによって生成されたCGを初めて見た山内は、質量を伴わない粘土のようなマチエールを感じたと回想する。いびつなCGを手で触るように映像の世界へ入っていく、作家の身体性にあふれ出るユーモアから、愛へと姿を変えていくフェティシズムのスタート地点と、山内の作品に一貫する不気味さや暴力性といった、表裏一体の美しさの一端を見つけることができるだろう。

 本展のタイトルは、近年の制作の根底にあたるテーマを「愛」、山内の活動が周知されるきっかけとなったキャリア初期の作品群を「ユーモア」として位置付けたもの。現在に至るまでの作品を大きく2つに分け、ギャラリーの1階・2階にて新作を、そして3階では過去の映像作品を紹介する。