EXHIBITIONS

野田弘志 真理のリアリズム

2022.07.02 - 09.04

野田弘志 聖なるもの THE-IV 2013 ホキ美術館蔵

野田弘志 THE-9 2003-04 姫路市立美術館蔵

野田弘志 やませみ 1971 豊橋市美術博物館蔵

 姫路市立美術館では、日本のリアリズム絵画を代表する画家のひとり・野田弘志の展覧会「野田弘志 真理のリアリズム」が開催される。

 1936年に生まれた野田は、東京藝術大学を卒業後、イラストレーターとして多忙な日々を送るなかで、絵画制作への想いが高まり、30代半ばより画業に専念するようになった。広島市立大学芸術学部で後進の指導にあたったのち、現在は北海道のアトリエで日夜制作に没頭する日々を送り、80歳を超えてなおリアリズムの画壇を牽引し続けている。

 本展は、画家としての最初期から近作まで、その活動の全容を回顧するもの。野田が自身のスタイルを模索していた学生時代の作品、広告会社時代のイラストやデザインにまでさかのぼり、画壇デビューを果たした頃の細密な静物画群「黒の時代/金の時代」から、その名が全国的に知られる契機となった新聞連載小説『湿原』(著:加賀乙彦)の挿絵原画、骨あるいは生ける人間を描き、死生観を示そうとしたシリーズ「TOKIJIKU(非時)」「THE」、そして近年手がけている等身大肖像のシリーズ「聖なるもの」「崇高なるもの」まで、人物・静物・風景いずれのモチーフを前にしても、一貫してひたすらに見つめ、描くことで「在る」ということを突き詰めようと、野田が歩んできたリアリズムの道をたどる(会期中、一部展示替えあり)。