對木裕里「Shells」

　NADiff Window Galleryで、對木裕里（ついき・ゆり）の個展「Shells」が開催されている。

　對木は1987年神奈川県生まれ、2009年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業、11年京都市立芸術大学大学院彫刻専攻修了。石膏や木材、石、粘土、紙、時には野菜など、様々な素材を組み合わせ、空間や壁を自在に活用し作品を制作してきた。その表現方法は彫刻作品にとどまらず、絵画やドローイングなど幅広い方法を用いて表現の可能性を模索している。

　実験的に手を動かし、固定概念や物質の成り立ちを俯瞰的にとらえた對木の作品は、見る側の意識にも新しい気づきや刺激を与え、人々の好奇心をくすぐる魅力がある。

　本展では「Shell＝殻」をテーマに、物体の中身を空洞にし、異素材を詰めて思考する作品シリーズを展示。また、レリーフ作品やドローイングなども展開される。場所の特性を活かしながら、表現の選択を更新し続ける對木の新たな試みに注目してほしい。