EXHIBITIONS

木浦奈津子「表面をなぞる」

2022.05.21 - 06.12

木浦奈津子 うみ 2022

木浦奈津子 こうえん 2022

 EUREKAは、鹿児島を拠点にするペインター・木浦奈津子の個展「表面をなぞる」を開催する。

 木浦は1985年鹿児島県生まれ。2010年尾道市立大学大学院美術研究科油画専攻修了。日常のなかで目にする何気ない風景を見たままに、できるだけ自分の痕跡をとどめず描いている。近年の活動として、「VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京)に出展。21年には鹿児島市立美術館で個展「うみとこうえんと、」などを開催した。

 散歩やドライブの途中に気になる景色を写真におさめ、それをもとにドローイングをし、油絵具でキャンバスに描く木浦。それは景色を見た時の第一印象を抽出し、改めて絵画に再現する試みだ。匿名性のある風景と私たちが見る風景は、それぞれの人の記憶にあるどこかの風景とつながり、私たちの住む世界の在り方を想像させてくれるだろう。

 本展では、大作を中心とした新作油絵を展示。作家は次のコメントを出している。

「私にとって日々過ぎ去っていく日常を素直に形に残すことは難しい。記憶はあいまいに形を変えていくし、写真はすべてを均一化してしまう。景色の表面をすくいとるように描くことで、その時受けた印象をフラットに切り取れるのではないか。それを絵画として構成することに面白さを感じている(木浦奈津子)」。