EXHIBITIONS

塔本シスコ展 シスコ・パラダイス

かかずにはいられない! 人生絵日記

2022.04.23 - 06.26

塔本シスコ ひまわりの中で インコ 1987 個人蔵

「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス かかずにはいられない! 人生絵日記」が岐阜県美術館に巡回。50代から本格的に絵を描き始め、膨大な数の絵を残した塔本シスコ(1913〜2005)の過去最大となる回顧展。

 熊本県郡築村(現・八代市)に生まれた塔本シスコは、養父の傳八(でんぱち)からサンフランシスコ行きの夢を託され、シスコと命名された。しかし9歳の頃に家業が傾き、小学校を中退。その後、奉公を重ね、20歳で結婚し一男一女を得たが、46歳のときに夫が急逝した。

 シスコは、心身ともに不調の日々から立ち直るなかで、子供の頃から憧れていた絵に没頭し、53歳のある日、大きなキャンバスに油絵を描くようになった。その絵画世界は、何ものにもとらわれない、彼女の胸中に宿る喜びや夢で満たされ、作品の主題は身近な草花や動物たち、そして時間も場所も自由自在にのり越えて、幼少の思い出にまで広がっていった。

「私は死ぬまで絵ば描きましょうたい」と絵筆を握り続けたシスコ。本展では、これまで広く紹介される機会が少なかったシスコの作品200点以上が集まる。夢と喜びを源泉に制作されたシスコの作品世界は、表現することの自由を私たちに教えてくれる。