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田中秀和

Hidekazu Tanaka

 田中秀和は1979年兵庫県生まれ。京都市立芸術大学博士課程単位取得満期退学。京都を拠点に活動を行う。これまで、即興的なストロークやレイヤーを重ねたような画面構成など、複合的なアプローチで抽象絵画の可能性を広げる試みを追求。近年では、キャンバス上に時間の概念を落とし込むことに注力し、パブロ・ピカソなどの歴史的な画家のドローイングから抽出した「線」を脱構築・再構成する「cloud painting」シリーズや、磁石を用いて各要素を自由に動かすことのできる作品などを手がけている。絵画に哲学的な思考を持ち込むいっぽうで、カラフルで遊び心にあふれた作品は、シンプルに視覚的な喜びも併せ持つ。05年に「新・公募展」(広島市現代美術館)で奨励賞を受賞。作品は、Jean Pigozziコレクション、大林財団、髙橋コレクションなどに収蔵されている。