EXHIBITIONS
New Positions 2021
日本の抽象絵画 - 田中秀和・西川茂・平野泰子
タグチファインアートは、次代を担う日本の若手作家を紹介するシリーズ「New Positions」を開催。第2回では、田中秀和、西川茂、平野泰子の作品を展示する。
田中秀和は1979年兵庫県生まれ。2000年に京都芸術短期大学ビジュアルデザインコースを卒業。京都造形大学情報デザイン学科、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで学んだ後、現在は京都市立芸術大学博士課程に在学中。京都を拠点に活動している。
田中はこれまで一貫して、複合的な手法を駆使しながら抽象絵画を問い直す実験を続けてきた。衝動的なストロークや偶然生まれた形態を複写しそれを整形して画面を再構成する、また、自分が描いた作品の断片をプロジェクターで投影し、それに反復や回転という操作を加えて新たな作品を生み出すなど、音楽分野でのサンプリングや、フォトショップなどの画像加工ソフトにおけるレイヤーの概念を絵画に援用。無意識と意識、時間などの問題を扱い、即興的でリズミカルな作品を生み出している。
西川茂は1977年岐阜県生まれ。近畿大学理工学部土木工学科環境デザインコースを経て、2002年に大阪芸術大学附属大阪美術専門学校芸術研究科絵画コースを修了。現在は奈良市を拠点に活動している。
西川は、都市に突然出現する布状のシートに覆われた、建設・改築中、あるいは解体中の建築物や構造物を、変容するランドスケープや移ろう環境の「動態」ととらえ、絵画シリーズ「シールド・ハウス」に落とし込むことでそれらを顕在化しようとしている。同シリーズを発表した当初から西川は、梱包芸術家として知られるクリスト&ジャンヌ=クロードの活動に自作との共通性を意識してきた。クリストが他界したことを契機に、2人へのオマージュとなる新しいシリーズに取り組んでいる。
平野泰子は1985年富山県生まれ。2007年京都精華大学芸術学部造形学科(洋画専攻)卒業。2009年にマサヨシ・スズキ・ギャラリー(愛知)で初個展を開催し、2015年にはVOCA展に出品。京都や東京で発表を重ね、現在は神奈川県川崎市を拠点に活動している。
平野は大学在学中から、絵具を薄く塗り重ねた抽象絵画を制作。自身の仕事について、見慣れた風景や過去の記憶、経験を、描くという行為によってキャンバス上で客観化し、それらが自律性を獲得するまで展開させ、現在の現実と接続させようとする試みとして考えている。描き進めるなかで絵画空間から発せられる、意味や言語から切り離された論理的思考に拠らない「呼びかけ」や、時に丸い黒点として現れる「眼差し」に反応し、そこに自分とは違う新たな視座を見出そうとする探究が、今回発表する新作にも反映されている。
田中秀和は1979年兵庫県生まれ。2000年に京都芸術短期大学ビジュアルデザインコースを卒業。京都造形大学情報デザイン学科、ロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで学んだ後、現在は京都市立芸術大学博士課程に在学中。京都を拠点に活動している。
田中はこれまで一貫して、複合的な手法を駆使しながら抽象絵画を問い直す実験を続けてきた。衝動的なストロークや偶然生まれた形態を複写しそれを整形して画面を再構成する、また、自分が描いた作品の断片をプロジェクターで投影し、それに反復や回転という操作を加えて新たな作品を生み出すなど、音楽分野でのサンプリングや、フォトショップなどの画像加工ソフトにおけるレイヤーの概念を絵画に援用。無意識と意識、時間などの問題を扱い、即興的でリズミカルな作品を生み出している。
西川茂は1977年岐阜県生まれ。近畿大学理工学部土木工学科環境デザインコースを経て、2002年に大阪芸術大学附属大阪美術専門学校芸術研究科絵画コースを修了。現在は奈良市を拠点に活動している。
西川は、都市に突然出現する布状のシートに覆われた、建設・改築中、あるいは解体中の建築物や構造物を、変容するランドスケープや移ろう環境の「動態」ととらえ、絵画シリーズ「シールド・ハウス」に落とし込むことでそれらを顕在化しようとしている。同シリーズを発表した当初から西川は、梱包芸術家として知られるクリスト&ジャンヌ=クロードの活動に自作との共通性を意識してきた。クリストが他界したことを契機に、2人へのオマージュとなる新しいシリーズに取り組んでいる。
平野泰子は1985年富山県生まれ。2007年京都精華大学芸術学部造形学科(洋画専攻)卒業。2009年にマサヨシ・スズキ・ギャラリー(愛知)で初個展を開催し、2015年にはVOCA展に出品。京都や東京で発表を重ね、現在は神奈川県川崎市を拠点に活動している。
平野は大学在学中から、絵具を薄く塗り重ねた抽象絵画を制作。自身の仕事について、見慣れた風景や過去の記憶、経験を、描くという行為によってキャンバス上で客観化し、それらが自律性を獲得するまで展開させ、現在の現実と接続させようとする試みとして考えている。描き進めるなかで絵画空間から発せられる、意味や言語から切り離された論理的思考に拠らない「呼びかけ」や、時に丸い黒点として現れる「眼差し」に反応し、そこに自分とは違う新たな視座を見出そうとする探究が、今回発表する新作にも反映されている。