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久保ガエタン

Gaetan Kubo

 久保ガエタンは1988年東京都生まれ。2013年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。ポルターガイストを題材に、小部屋が激しく回転するインスタレーション《Smoothie》(2013)など、目に見えないものや関係性を「オカルト(隠されたもの)」と称して、インスタレーションや映像などによって可視化している。作品のテーマは超常現象、社会科学、精神分析、哲学、物理学など幅広い。自身のルーツや家族史を重ね合わせながら制作を行っており、16年の個展「破壊始建設/Research & Destroy」(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、東京)では、自身の曽祖父が旧日本海軍の駆逐艦「梨」の乗員であったことを起点に、廃品を利用したオブジェ、ドキュメンタリー映像、写真、模型などからなるインスタレーションを発表。駆逐艦「梨」が海上自衛隊の護衛艦「わかば」として再生した史実を入念に調査し、軍艦と曽祖父の輪廻転生を重ねて解釈した。そのほかの主な個展に、「僕の体が僕の実験室です。あるいはそれを地球偶然管理局と呼ぶ。」(児玉画廊|天王洲、東京、2017)、「記憶の遠近法」(たこテラス、東京、2016)。