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束芋

Tabaimo

 束芋は1975年兵庫県生まれ。京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科卒業。卒業制作として発表したインスタレーション作品《にっぽんの台所》(1999)で、キリン・コンテンポラリー・アワード最優秀作品賞を受賞。浮世絵を思わせる色彩と筆致で、日本社会や自身の内面世界を象徴的に描くアニメーションや映像インスタレーションを制作してきた。

 2011年に開催された第54回ヴェネチア・ビエンナーレでは、日本館建築の特異な構造と映像を一体化させた大規模なインスタレーション《てれこスープ》を発表。加えて、12年には浜離宮朝日ホール20周年記念コンサートとして、パスカル・ロジェの音楽と自身の映像のコラボレーションを発表。2014年、杉本博司が脚本・演出・美術・映像を担当した人形浄瑠璃『曾根崎心中』にアニメーション作品を提供、13年には、自ら構成・美術を手がけ、ダンサー・森下真樹と共同演出をした映像芝居『錆からでた実』を発表するなど、活躍の場を広げている。18年には初の銅版画も発表した。主な個展に「ヨロヨロン」(原美術館、東京、2006)、「断面の世代」(横浜美術館ほか、2009-10)など。