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サイトウマコト

Makoto Saito

 サイトウマコトは1952年福岡県生まれのグラフィックデザイナー、画家。70年代よりグラフィック・デザインに携わり、80年にデビュー。87年に当時最年少で毎日デザイン賞を受賞した。従来のコラージュ技法を覆す、シンプルかつ力強いな作風が高い評価を受けて、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ展、ラハティ国際グラフィックビエンナーレ展、ニューヨークADCなど国際的なデザイン賞で受賞多数。44年創刊のグラフィックデザイン専門誌『Graphis』からは、マスターの称号を与えられる。デザインの仕事の傍らで絵画を研究し、77〜89年にかけて作品を発表。79年と87年に兵庫県立近代美術館賞を受賞した。2003年に絵画制作を再開し、08年には画家として初となる大規模個展「サイトウ・マコト展:SCENE[0]」(金沢21世紀美術館)が開催。同展覧会では幼い頃から記憶に残る映画のシーンをもとに、人間のイメージを解体・再構築した重層的なデジタル・ペインティングを展示し、新たな絵画空間を展開した。

 近作《Neural Network_10》《満ち足りた日々。》(ともに2017)ではアナログの手法に立ち戻って、ルシアン・フロイト、フランシス・ベーコンのポートレイトを絵具のドットで描写。「顔」に潜む人間の内奥をあらわにし、新たな人間像を表現した。これまでの個展に、「2100」(小山登美夫ギャラリー、東京、2017)、「蜜が蜂を呼ぶように。 Like Nectar Attracting Bees」(小山登美夫ギャラリー、東京、2011)、「Face to Face / Composition」(Paul Kasmin Gallery、ニューヨーク、2012)など。作品はサンフランシスコ近代美術館、ニューヨーク近代美術館、ヴィクトリア&アルバート美術館、東京国立近代美術館など世界30以上の美術館に収蔵されている。