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バーネット・ニューマン

Barnett Newman

 バーネット・ニューマンは1905年アメリカ・ニューヨーク生まれ。ロシア系ユダヤ移民の家庭に生まれ、ニューヨーク市立大学シティカレッジで哲学を学ぶ。批評家やキュレーターとして活動した後、44年から画家として活動を開始。48年にエッセイ「崇高はいま』を発表すると同時に「ワンメント」シリーズ作品を発表。一色に塗られた画面に「ジップ(zip)」と呼ばれる垂直線を配し、カラーフィールド・ペインティングと呼ばれる力強い色面の構成による独自のスタイルを確立。また、ニューマンの絵画作品の多くは無題であるが、50年代初頭に制作された絵画では、《アダム》(1951〜52)や《イヴ》(1950)、《ウリエル》(1955)などユダヤ的主題を示唆している。

 病を患った後、モノトーンの連作絵画「十字架の道行き」シリーズ(1958〜66)を発表。晩年の作品は「誰が赤、黄、青を恐れるのか」シリーズや《アンナの光》(1968)など、アクリル絵具を使用した鮮やかな色を巨大なキャンバスの上に用いる作品を多く制作。ピラミッドの頂点にオベリスクを逆さに立てた《ブロークン・オベリスク》(1963〜69)のような彫刻作品も手がけている。70年逝去。2013年には一面のコバルトブルーのキャンバスに白い線が1本描かれた作品《ワンメント6》(1953)が、サザビーズのオークションにて4380万ドルで落札され話題となった。