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難波田龍起
Tatsuoki Nambata
難波田龍起は1905年北海道生まれ。23年関東大震災直後の夜警中に高村光太郎と出会い、その思想に強く導かれ画家を目指す。27年早稲田大学政経学部中退、太平洋画会研究所で学ぶ。30年代は古代ギリシア彫刻への憧憬を主軸に、不安と詩的イメージが交錯する作品を制作。戦後、復興する都市の風景から刺激を受け、幾何学的な抽象表現に移行。37年自由美術協会、46年日本美術会の結成に参加、53年国際アートクラブ日本支部の会員になる。59年自由美術協会を退会。61年北海道出身の抽象画家と北象会を結成する。50年代後半よりアンフォルメル運動の影響を受けつつ、「オートマチックな線」を駆使した独自の表現様式を確立する。70年代より、具体的な「群像」や建築物などのイメージから精神性の高い「形象」を追求する。長男と次男の死という喪失を経験しながら、それを乗り越えて祈りや生命への希求を作品に表現。晩年にはクロード・モネの《睡蓮》の影響を受け、生命の誕生を想起させる色彩豊かな大作シリーズ「生の記録」を制作する。主な個展に「生誕120年記念回顧展」(東京オペラシティ アートギャラリー、2025)、「難波田龍起展 1954年以降―抽象の展開・生命の輝き」(世田谷美術館、東京、1994)、「今日の作家 難波田龍起展」(東京国立近代美術館、1987)、「形象の詩人 難波田龍起展」(北海道立旭川美術館、1982)など。紺綬褒章(1971)、第29回毎日芸術賞(1988)、北海道新聞文化賞(1995)文化功労者顕彰(1971)など受賞多数。享年92歳。
