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篠田太郎

Taro Shinoda

 篠田太郎は1964年東京都生まれ。造園を学んだのち作家活動を開始し、初期からの水彩によるドローイング、彫刻や映像、インスタレーションなど、一貫して人間と自然のかかわりを問う作品を制作している。映像作品では、世界各地から手製望遠鏡で月を観測し映像化した《月面反射通信技術とドラム演奏》(2007〜16)、「文化における自然の解釈」をテーマとした三部作「残響」(2009〜10)などを発表。また、オーストラリアの原住民・アボリジニに取材した際に生じた文化の違いに対する困惑を、アボリジニが使用する粘土を素材とした壁と畳のある部屋で体現した、考えるための場でもある《Abstraction of Confusion》(2016)や、アラブの地で作庭し、縁側をしつらえた《Karesansui》(2015)など、サイトスペシフィックなプロジェクトも世界各地で展開している。

 近年の個展に、「桂 KATSURA」(MISA SHIN GALLERY、東京、2020)、「What I can do with children and the sun」(galerie frank elbaz、パリ、2019)、「太陽と富士山とスティーブ・ライヒ」(MISA SHIN GALLERY、東京、2016)、「ホモ・サピエンス・サピエンス」(タカ・イシイギャラリー、東京、2012)など。さいたま国際芸術祭(2020)、シドニー・ビエンナーレ(2016)、シャルジャ・ビエンナーレ(2015)、イスタンブール・ビエンナーレ(2007)、釜山ビエンナーレ(2006)ほか国際展に多数参加。作品は、森美術館、ルイヴィトン財団、日産自動車株式会社などのコレクションに収蔵されている。