EXHIBITIONS

paintings

フランシス真悟、伊庭靖子、篠田太郎、小沢剛

2021.02.26 - 04.03

小沢剛 Soy Sauce Art: Andy Warhol 醤油画(アンディ・ウォ―ホル) 2013

フランシス真悟 Spectrum in Six(cerulean, violet and emerald) 2020

伊庭靖子 Untitled 2014_04 2014

篠田太郎 桂・ロ Katsura 02 2020

 MISA SHIN GALLERYは、同時代に生きる4人のアーティスト、フランシス真悟、伊庭靖子、篠田太郎、小沢剛によるグループ展「paintings」を開催する。

 フランシスは、幾層にも重ねられたブルーの抽象画や、深い色彩のモノクローム作品によって、絵画における空間の広がりや精神性を探求し続けているアーティスト。近年は、特殊な素材が引き起こす光の干渉で、見る角度によって様々な色が立ち現れる「Interference」シリーズを手がけている。

 伊庭は一貫して、クッションや陶器などの対象物を写真で撮影し、その写真をもとに絵を描く手法で制作。身近にあるものの質感や空気感などを絵画上に引き出す作品で知られている。2019年には美術館では約10年ぶりとなる大規模個展を東京都美術館で開催。本展では、クッションを題材にした近年の作品を展示する。

 多岐にわたる表現で、人間と自然の関わりを深く問う篠田。油彩画の基本的な素材を用いた近作の「桂」は、私たちが見慣れたペインティングとは一風異なり、麻布のキャンバス自体が大きな余白をつくっている。篠田は作品を鑑賞する距離ひとつ取ってみても、私たちの様々な共通認識やその延長線上にある生活、社会、文化に基づいた身体的なリアクションでもあるととらえ、本シリーズを通してそれらを再考し、その前提となっているものを問い直している。

 小沢は、国内外の美術史上の名作を本物の醤油を用いて模写する「醤油画」シリーズを制作してきた。2013年の《Soy Sauce Art: Andy Warhol 醤油画(アンディ・ウォ―ホル)》では、ウォーホルによるポップカルチャーのアイコン「エルヴィス」を、日本のドメスティックなシンボルである醤油で描くことで、戦後日本の現代美術史と世界の美術史の成り立ち、また「美術」というシステムそのものに疑問を投げかけている。

 アートのもっとも歴史ある手法のひとつであるペインティングというメディウムにおいて、様々に挑み続ける4人の多様な表現を楽しみたい。