EXHIBITIONS

Reflection

篠田太郎、東松照明、崔在銀、フランシス真悟

2021.07.07 - 08.21

篠田太郎 Reflection 2012

 MISA SHIN GALLERYがギャラリーアーティストによるグループ展「Reflection」を開催する。出展作家は、篠田太郎、東松照明、崔在銀、フランシス真悟。

 新型コロナウイルスの世界的な拡大に伴う都市・国境を越えた移動制限や急激な経済活動の縮小などによって、大気汚染・水質汚濁などの環境問題は一時的にだが、目に見えるほどの改善を見せた。ウイルスもまた自然界の一部であり、歴史的にも感染症の大流行は社会構造に変化をもたらしている。本展では、このように密接に関わり合っている自然と人間社会をテーマに、参加作家4人が作品を発表する。

 篠田太郎の《Reflection》(2012)は、バーゼルにあるスイスでもっとも古い動物園を撮影した映像作品。連日動物園に足を運んだ篠田は動物園がまるで都市の模型のようだと思うようになった。そこには医療設備、食事を準備する場所、金属や木材の加工工房などが備わっており、動物は自由と引き換えに、食料と生活の安定が保証されている。一見静止画のように見える、時間が確実に流れる抽象的な映像は、人間社会と文明の構造とそのあり方を再考させる。

 東松照明の「プラスチックス」(1987〜89)は砂浜に打ち上げられたプラスチックの漂流ゴミを撮影した作品。プラスチックボトル、砂に埋もれた手袋やポリ袋などの戦後の環境汚染の残骸は、濡れた砂紋のうえに緻密に構成され、黄昏の薄光の下撮影された作品は、ゴミがあたかも永遠の命を与えられた静物画のような荘厳さを放つ。その構成は、1960年代の変貌しつつあった東京の路面に埋め込められた釘や鉄くずが宇宙的な深淵のように見える「アスファルト」を彷彿させ、海と陸、都市と文明、過去と未来、自然と人工物といった様々なインターフェイスを行き来する事象として存在する。

 崔在銀(チェ・ジェウン)の《No Borders Exist in Nature》(2020)は、時間と露光によって淵が焼けた古い図鑑の1ページに、黒鉛で描いた詩のドローイング。時の堆積が刻み込まれている紙に、崔の活動の根底にある自然についての思索と共生、そして人間中心主義を反省する言葉が、細密に綴られている。また、古本の何も印刷されていないページを切り取りコラージュした作品《Paper Poem》(2012)の重なり合うページの繊細な色調とグラデーションに見られる構造主義的なコンポジションは、真上から見た都市における建物のようでもある。

 コロナ禍において都市間の移動が出来なくなったフランシス真悟は、ロサンゼルスのスタジオで一日一点のドローイングを描く新シリーズ「Daily Drawing」の制作を始めた。このシリーズは、毎日欠かさずメディテーションのように描くことを自分に課し、世界的なコロナ禍の状況に対するフランシスの応答を、ドローイングという身体的な行為で表現したものだ。

 篠田の《Reflection》はギャラリーでは初公開となる。それぞれの手法で自然や人間社会と向き合う、4人のアーティストに注目してほしい。