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五月革命から50年。「小劇団」を構成するリリー・レイノー=ドゥヴァールの展覧会がASAKUSAで開催

友人や家族、自身が教える学生など、身近な人々と「小劇団」を疑似的に構成して作品を発表するフランスのリリー・レイノー=ドゥヴァールを招いた展覧会が、東京・ASAKUSAで開催される。会期は5月20日〜6月17日。本展はフランス・五月革命へのトリビュートイベント「第6回 哲学の夕べ —パリ五月革命をめぐって」の一環として企画されたもので、様々なイベントが予定されている。

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 リリー・レイノー=ドゥヴァールは、1975年フランス・ラロシェル生まれのアーティスト、ライター、パフォーマー。欧米を中心に世界中で個展多数。2009年にフェミニスト出版社「Petunia」を共同設立したほか、10年よりジュネーヴ造形芸術大学教授を務めるなど、フランスを拠点に多方面で活動を行っている。

 そんなレイノー=ドゥヴァールを招き、東京・浅草のプロジェクト・スペースASAKUSAで、展覧会「わたしの疫病(本のように公共的な身体)」が開催される。

 レイノー=ドゥヴァールは、友人や家族、自身が教える学生など、身近な人々と「小劇団」を疑似的に構成。神話やアイデンティティ闘争における歴史的な人物について、アーティストとしての立ち位置から婉曲的な接続を試みる。フィクションとして、形象として、ある象徴として紐付けられた出来事が、作品とアーティストの身体や、ある人物の経歴とその複合メディアによる知覚を介して、対立する力の境界を曖昧にする作品を制作してきた。レイノー=ドゥヴァールは、こうしたパフォーマンスを「制度批判の慰みごと」の一形態と形容している。

 出展作は、エイズに関する自叙伝を端緒として、体液によって感染する疫病が個々の身体や社会文化に与える影響について語るというもの。これは15年のヴェネチア・ビエンナーレで発表された《わたしの疫病 (小さくささやかで悪趣味な血みどろオペラ)》に続くものだ。インスタレーション、ダンス、読書セミナーなど様々な手法を通じて展示空間を侵食する本作は、ジャン・ジュネ、マルグリット・デュラスらフランスの作家など多くの著作を引用し、集団的な政治行動やアイデンティティー形成に関する議論を呼び起こし、鑑賞者を通じて培養され、拡散していく。

 本展は、今年50周年を迎えるフランス・五月革命へのトリビュートイベント「第6回 哲学の夕べ —パリ五月革命をめぐって」の一環として企画されたもの。展覧会会期前日となる5月19日には、アンスティチュ・フランセ東京にてアーティストトークが、オープニング当日の5月20日には、ASAKUSAにてパフォーマンスが行われるので、あわせて注目したい。

編集部

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