MUSEUMS / GALLERIES

大和文華館

奈良

外観

展示場

 大和文華館は奈良市学園前の閑静な住宅街に位置する美術館。1946(昭和21)年、当時の近畿日本鉄道社長・種田虎雄を発起人として発足した。初代館長の矢代幸雄は、10年以上かけて、自らの眼で日本東洋の価値ある美術品を収集。1960(昭和35)年、近畿日本鉄道の創立50周年記念事業のひとつとして開館した。

 美しい竹の中庭とバルコニーを有する展示場は、「自然の緑が、陳列室の中の空気をも彩るようにしたい」という美術史家であった矢代の美術理念を反映したもの。現在は国宝4件、重要文化財31件を含む2000件あまりの所蔵品を中心に、年8回の展覧会を開催している。このほかにも、建築家・吉田五十八(いそや)の設計による美術館本館と、四季折々の花木を楽しめる自然苑「文華苑」など、多くの見どころがある。