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ミュージアムから先に変われ! 奥脇嵩大評。ジェネラル・ミュージアム「コレクション展『コラージュ、カムフラージュ』、企画展『dis/cover』」

コレクション展「コラージュ、カムフラージュ」より 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
青森県五所川原市域での「ジェネラル・ミュージアム|墓」の例。市名に含まれる「五」から連想される複数性をヒントに、国道看板状のサインボードの野外設置を介して、地域固有性を地球の自転運動や宇宙に連なる想像力でもって崩壊・流動化させ、総合的なミュージアムの一様相を示すことを試みた。2021年10月から展開中 撮影=小山田邦哉
長房のジェネラル・ミュージアム外観 撮影=筆者
「多くの作品は絵や映像に没入させ支持体の存在を隠そうとするが、ブラックのコラージュは木目模様の紙を貼り、絵を覆い隠すいっぽうで、支持体の(木を素材とする)紙を表面化させる」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
ハモグリバエ《エカキムシ》(2022) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
「日光や雨、虫食いによって展示物は傷つき、崩壊していく」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
偏西風など《赤玉土/関東ローム》(約180〜160万年前以降)。「毎年0.1mmのチリが降り、関東全域に関東ロームを形成。この層の上にそこから採取された『赤玉土』をコラージュ。この展示は会場外の案内へとつなぐ」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
ピンナップの展示。「世界初のピンナップモデルと言われる画家フェルナンド・バレエ(夫は戦争画で知られる藤田嗣治)らの写真は、第一次世界大戦中、敵対する双方の兵士が大切に所持していた」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
捕食者《シマウマの群れ》。「輪郭より強いコントラストの縞模様は、群れの中での個体の識別を難しくする。この縞模様の作者はシマウマ自身ではなく、模様を選択(捕食)してきた捕食者とした」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
「展示物を掘り起こす来場者」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
井出賢嗣《帰宅する》(2022)。「森のなかに捨てられた紙袋を展示空間とし、遺跡のような作品が置かれている」 (GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
佐塚真啓《草々》(2022)。「自生する竹の表面を枝で引っ掻き、森に茂ってるような草が描かれている」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
阪口智章《母と父のお見合い写真に扮するセルフポートレート》(2022)。「距離のある他者ではなく、自身に似る母と父のお見合い写真(自身の出自の元)に扮したポートレイトは、擬態や因果の関係を横転させる」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
鈴木あい《埋められた『重力と恩寵』を読む》(2022)。「地面に埋まった本を来場者が掘り起こし、手にとって読むことができる」 (GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
神谷絢栄《華麗で育ちがよく愛想の良い花たちと、軽率で愚かで好色な花たち》(2022)。「ひとつの花に付けられた相反する『花言葉』を介し、ジェンダー規範にもとづき女性に与えられるイメージをテーマに、花が植えられた」(GM) 撮影=神谷絢栄
孫田絵菜《2つのストライプ(菱形)》(2022)。「枝や葉、草との交差に加え、日光や風による揺らぎが輪郭を溶解する」(GM) 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
 
会期中に近所の小学生がやってきて制作・展示した机状の作品。「あなたのたのしかったことをおかきください」。ミュージアムはすべての人々により日々生まれなおしている 写真提供=ジェネラル・ミュージアム
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編集部