アートとサウナを同時に体験できる展覧会「チームラボ & TikTok, チームラボリコネクト:アートとサウナ 六本木」が、3月22日から8月31日までの半年間限定で東京・六本木にて開催される。※会期は11月23日まで延長された。
本展は、鑑賞者がサウナによる超温冷交代浴によって脳を開き、自分自身が「最高な身体感覚」になってアートに没入して体験するという、新たな形式の展覧会。
展示会場は、サウナエリア、冷水エリア、アート浴エリアの3つに分けられている。まずは男女別の更衣室で水着に着替え、温水シャワーを浴びる。そこから展示室へと進む手順だ。
体験方法は、サウナ室で汗をかき(5〜10分)、冷水シャワーを浴び(1〜2分)、そしてアート浴エリアで作品を見ながら休憩するというのが1セット。アート浴エリアでは3作品を体験することができるので、その順番を3セット繰り返して体験することがおすすめだ。
サウナエリアには女性専用サウナを含め、計7種類のサウナ室が備えられている。それぞれのサウナ室では、焚き火や水琴窟、洞窟の川、森の風にインスパイアされた環境音や音楽が流れており、ほうじ茶、白樺、松、ジュニパー、ジンジャーなどのアロマの香りが漂っている。また、音楽やアロマのないサウナ室もあり、中温多湿から超高温ドライまで、様々な温度・湿度のサウナを体験できる。
ふたつの冷水エリアでは、霧状となった水に、禅における書画のひとつ「円相」をモチーフにした《円相を通り抜けて》と《円相に迷い込んで》が映しだされており、身体ごと作品に没入することができる。サウナ体験直後に冷水を浴びると、感覚が鋭くなり、頭がすっきりするような感覚を得られるだろう。
身体感覚が研ぎ澄まされたら、アート浴エリアに進もう。3作品の鑑賞順路は決まっておらず、自由に選択できるが、《降り注ぐ雨の中で増殖する無量の生命》から鑑賞することがおすすめだ。
同作は、誕生と死を繰り返しながら増殖していく無数の花々を描いたもの。現実世界と同じ時間の流れで種類が変わっていく花々は、増殖しすぎると一斉に散って死んでいくという。作品前の椅子に座って、生命の循環に思いを馳せる。
サウナ室と冷水シャワーを繰り返し、2番目の作品を見てみよう。《生命は結晶化した儚い光》と題された新作は、空間内にある無数の水の線に光が結晶状になり、空中に浮遊するもの。身体ごと作品空間に没入すると、身体に触れた光の結晶は壊れてしまう。生命の脆弱さを想起させる作品だ。
最後に体験したいのが、巨大な球体が空中を上下して浮揚する作品《空中浮揚》。球体はまるで物理の法則に反する超自然現象かのように万有引力に逆らい、地面からゆっくりと空中に浮遊していく。浮遊すると真っ赤な平面の円のようになるこの作品は、鑑賞者を完全な非日常へと導いていく。
サウナ・冷水・休憩を繰り返す超温冷交代浴によってととのい、広がった身体感覚で没入型アートと一体となり、自身と世界にリコネクトしてみてはいかがだろう。