2009年よりフランス南部のマルセイユで活動し、19世紀後半から20世紀前半までの絵画を扱うギャラリー「Alexis PENTCHEFF」で、モーリス・ユトリロ(1883〜1955)の回顧展「ユトリロ・都会の孤独」が開催される。
ユトリロは印象派による影響を受けたのち、1910年代にボヘミアン的な生活をしていた「エコール・ド・パリ」の芸術家として認知され始めた。ユトリロは独学の芸術家であり、一歩ずつ自分の画風を学び、理解し表現していった画家。その作品は、カフェや酒場、レストランなど生活に近い場所からインスピレーションを受けたものが多く、独特の静けさをたたえたえている。
プライベート・コレクションから集められた作品を展示・販売する本展では、「呪われた画家(アルコール中毒や鬱などにさいなまれていた当時の芸術家たちの総称)」でありながら、エコール・ド・パリを代表する画家・ユトリロにオマージュを捧げ、各年代の作品を通してその軌跡をたどる。