京都に新たなプラットフォーム。「Kyoto Interchange」が設立

「アーティストの美学的・社会的役割を最大限発揮する」ことを目的とした新たなアート・インスティテューション、「Kyoto Interchange」の設立が発表された。

ロゴデザイン=見増勇介(ym design)

 アーティストを支援するための新たなプラットフォームとして、アート・インスティテューション「Kyoto Interchange」の設立が発表された。

 Kyoto Interchangeはその設立趣旨を「私たちは、アーティストの創造性を作品の制作と発表に限定せず、社会全般へと拡張し、ひいては社会を変革する原動力へと変えていくことを目指します」としており、展覧会など様々なプロジェクトを特定の場所・方法に限定せずに展開するという。

 活動第一弾としては、3名のアーティストによる展覧会「金サジ、マユンキキ、山本麻紀子」(2022年5月14日〜7月3日)を開催。会場は京都の麸、ゆば専門店「半兵衛麩」が今年4月にオープンさせた、ショップとカフェを併設した五条ビル内となる。

 展覧会では各アーティストの作品が発表・販売されるが、販売方法はすべてアーティストが決定するというユニークな手法がとられる。

 写真数点を展示する金サジは、販売学の20パーセントをNPO法人サハリン協会および認定NPO法人難民支援協会に寄付。残る80パーセントのうち10パーセントはKyoto Interchangeに、70パーセントは作家に分配される。

金サジ AMA video

 アイヌの伝統歌を歌う「マレウレウ」「アペトゥンペ」のメンバーであるマユンキキは、自身に刺青を入れる際に出た血液を用いた絵画作品2点を展示予定。販売は行われず、アイヌの伝統歌をベースにした演奏公演を行う。

 特定の場所についての観察や考察を続け、常識や習慣など日常のなかで見過ごされている事柄や疑問を糸口に、他者とのコミュニケーションを発生させるプロジェクトを行う山本麻紀子は、草木や土、鉄くずなどを素材とした平面・立体作品約80点を展示。販売利益の25パーセントは慈恵病院「こうのとりのゆりかご基金」、25パーセントは大内山動物園に寄付され、残る25パーセントをKyoto Interchangeに、25パーセントを本人に分配する。

山本麻紀子 巨人の歯と眠り / 夢─崇仁第三浴場 2021 Photo by Tatsuki Katayama 2019-2020年度 HAPS主催「京都市 文化芸術による共, 生社会実現に向けた基盤づくり事業」

 なおKyoto Interchangeは各プロジェクト毎にNFTを200個限定で発行するという。

編集部

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