1988年に公開された宮崎駿監督作品『となりのトトロ』が、世界で初めて舞台化されることがわかった。制作は、英国の代表的な演劇カンパニーであるロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)が担う。上演は2022年10月からロンドンのバービカン劇場で行われる。
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーは、シェイクスピア生誕の地、英のストラットフォード・アポン・エイボンを拠点とする英国の代表的な演劇カンパニー。エリザベス女王がパトロンを、チャールズ皇太子が理事長を務めている。 シェイクスピア作品のほか、演劇プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュとの共同製作作品『レ・ミゼラブル』など、世界中で愛される良質な作品を産み続けている。
原作で音楽を手掛けた作曲家である久石譲の提案を、宮﨑駿監督が快諾したことで始まった今回の舞台。制作を手掛けるロイヤル・シェイクスピア・カンパニーは、以前から『となりのトトロ』の舞台化を熱望していたという。
演出には『アクナーテン』でローレンス・オリヴィエ賞を受賞するなど、数々のオペラ作品を手掛けてきたフェリム・マクダーモットを迎え、脚本にはRSCが世に送り出した若手脚本家のトム・モートン=スミスが抜擢された。
エグゼクティブ・プロデューサー・音楽を務める久石譲は、舞台化にあたり次のようにコメントを寄せている。
「この作品に本当の意味で普遍性があるなら――僕はあると思っていますが――まったく違うカルチャーで育った人たちが違う言語でやっても、きっと世界中の人に伝わるはずです」。
題字を手掛けたスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーはまた、「果たしてどうやってトトロと出会えるのか。とても楽しみにしています」とコメントしている。
世界的作曲家の久石譲と世界最高峰の演劇カンパニーRSCは、『となりのトトロ』をどう表現するのか。世界中から期待が寄せられている。