4月23日にベルリンの美術工芸博物館「マルティン・グロピウス・バウ」で開幕し、翌日に新型コロナウイルス感染拡大防止のために臨時休館となっていた草間彌生の大規模回顧展が、5月19日に再開した。
同展の再開とともに、同館館長兼本展のキュレーターであるステファニー・ローゼンタールによるビデオ・ウォークスルーや、オンラインで自由に体験できる3Dバーチャル・ウォークスルー、そしてデジタルガイドなどのデジタルコンテンツが公開されている。
本展では、草間の代表作や直近の絵画作品はもちろん、最初につくられたミラールーム《Infinity Mirror Room Phalli's Field》(1965)を再現した作品や、本展のためにつくられたミラールームの新作《Infinity Mirror Room》(2021)、そして同館の歴史的なアトリウムに出現した巨大な没入型のインスタレーション新作《A Bouquet of Love I Saw in the Universe》(2021)など、約300点の作品を展示。鑑賞者は上述の3Dバーチャル・ウォークスルーを通じ、すべての作品をオンラインで体験することができる。
デジタルガイドでは、アーカイブ画像や草間が朗読した詩の音声、ジョージア・オキーフやウード・クルターマンなどのアーティストや美術専門家との書簡を通じ、草間の人生とそのキャリアを時系列で紹介している。
また、このデジタルガイドとともに、通常は展覧会会場でしか読むことのできない20冊の展覧会テキストも用意されており、それぞれが草間のキャリアの様々なハイライトに焦点を当てている。