百瀬文とイム・フンスン、ふたりの映像作家が紡ぐ「国境なき対話」。コラボレーション作品《交換日記》が日韓同時・緊急上映

映像を主なメディアとして活動するアーティスト、百瀬文とイム・フンスン。ふたりのコラボレーション作品《交換日記》の緊急上映が、日本のシアター・イメージフォーラムと韓国のソウル・アート・シネマの共同企画として行われる。日程は9月3日、28日〜10月4日。

百瀬文×イム・フンスン《交換日記》より

 映像を主な表現媒体として活動するアーティスト、百瀬文とイム・フンスン。国家対国家の軋轢が深刻化する現状を受け、ふたりのコラボレーション作品《交換日記》の日韓同時・緊急上映が行われる。シアター・イメージフォーラムでの上映日程は9月3日、28日~10月4日。

 百瀬とフンスンが出会ったのは2015年、日韓国交正常化50周年を記念して開催された「アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋――⽇本と韓国の作家たち」(国⽴新美術館、韓国国⽴現代美術館) 。同展をきっかけに、ふたりは実験的なコラボレーションを開始した。

百瀬文×イム・フンスン《交換日記》より

 今回上映される《交換日記》は、それぞれの活動拠点である日本と韓国、あるいは日々の生活で訪れた場所の映像を素材として相手に送り、受け取った側が相手の映像を編集し、自身の「日記」としてナレーションを加えるというもの。素材は元々作品のためではなく、ふたりの他愛のない日々の記録として撮影されている。

 相手の視点で切り取られた風景と自らの物語はときにズレや重なりを生み、個人間のコミュニケーションが文化的、社会的、政治的な隔たり/親密性へ展開する様を描き出す。お互いの言語さえ分からないふたりのぎこちない対話は、他者を安易な共感や拒絶であしらうのではなく、相手を受け止めながら語りかけることの意味を浮かび上がらせる。

百瀬文×イム・フンスン《交換日記》より

 なお9月3日の上映では、スカイプ中継による百瀬とフンスンのトークイベントも開催予定。両国で同時に共有されるふたりの日記は、いま私たちにどのような問いを投げかけるのだろうか。

編集部

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