ヌーヴェル・ヴァーグを代表する映画監督であり、美術家としても活躍したアニエス・ヴァルダが、フランス現地時間3月29日に乳がんのため自宅で死去した。
1955年に『ラ・ポワント・クールト』で長編デビューを果たすと、同作を皮切りに、65年に『幸福』で第15回ベルリン国際映画祭銀熊賞、85年に『冬の旅』で第42回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞したヴァルダ。数多くの作品を通じて、主に「人間が得る本当の幸福とは何なのか」ということを、独特なユーモアと詩的表現で問いかけてきた。
03年頃より美術家に転身。立体やインスタレーション作品を、パリやシカゴ、ブリュッセルなどで展覧会を開催してきた。昨年は日本においても、個展「Bord de Mer」(BLUM & POE、原宿、2018)が開催、そしてアーティスト・JRとの共同監督作『顔たち、ところどころ』も公開され話題となった。今回の訃報を受けて、世界各地から追悼の声が寄せられている。