展示の中心には、《Exorcism of the Last Painting I Ever Made》(1996)とターナー賞候補作《My Bed》(1998)が据えられる。前者は絵画からの断絶と再出発を記録し、後者はアルコール依存からの回復を示すインスタレーションである。これらは「第一の人生」から「第二の人生」への転換を象徴する作品として位置づけられる。
近年の作品では、エミン自身のがん治療や手術、障害への向き合いが率直に表現される。ブロンズ彫刻《Ascension》(2024)は、膀胱がん手術後の身体感覚をテーマとし、新作ドキュメンタリー映像では現在も生活をともにするストーマが記録される。展覧会の終盤には、大型絵画群とともに、死と再生のモチーフを扱う《Death Mask》(2002)、屋外に設置されるブロンズ作品《I Followed You Until The End》(2023)が展示され、エミンの「第二の人生」における新たな創造の地平を示す。

エミンは「テート・モダンでの展示は人生の節目となる。『A Second Life』は、これまでを振り返り、未来へと進むための祝祭である」と語る。エミンが「生きること」を作品に転化してきた軌跡を明らかにする本展をぜひ会場で目撃してほしい。


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