アートウィーク東京が今年も開催。アプリと専用バスでまわる東京のアートスポット

現代美術を扱う美術館やギャラリーなど、都内50以上のスペースが参加する「アートウィーク東京(AWT)」が開催される。開催期間は11月3日〜6日。

AWTバス

 都内の現代美術を扱う美術館やギャラリーなど50以上のスペースが参加する「アートウィーク東京(AWT)」が今年も開催される。会期は11月3日〜6日。

アートウィーク東京 2022 メインビジュアル

 昨年より始まったAWTは、世界最大のアートフェアである「アートバーゼル」と連携したイベント。会期中は参加するアートスペースを結ぶ「AWT BUS」が運行され、公式アプリ「AWT PASS」を使って会場を巡ることができる。ほかにもオンライントーク、ビデオプログラム、ラウンドテーブル、オンラインプラットフォームなど、多角的な催しが実施される。

アートウィーク東京の公式アプリの紹介

 今年は東京国立近代美術館、国立新美術館、東京都現代美術館、アーティゾン美術館、東京オペラシティアートギャラリーをはじめとした10の美術館と、41のギャラリーが参加。これらの会場付近を「AWT BUS」が巡回し、乗車してめぐることが可能だ。

AWT BUS

 昨年の「AWT BUS」は、各アートスポットを廻る4つのルートを用意していたが、今年はより十分な時間をもって廻れるよう、ルートは6つに増加。バス停はいずれも各アートスペースの近くに設置されており、途中で別ルートに乗り換えることも可能。

AWT公式ウェブサイトより、AWT BUSのルート

 これらのルートは公式アプリ「AWT PASS」に掲載され、さらに走行中のバスの位置もアプリで把握できる。なお、AWTのチケットはこのアプリが担い、参加美術館で提示することで割引を受けることも可能だ。

 なお、このアプリにはスタンプラリー機能も搭載されている。いずれかのバスルートでスタンプをすべて集めると、本企画のアートディレクターを務める菊地敦己のデザインによるオリジナルトートバッグがプレゼントされる。

オリジナルトートバッグ

 また、会期中の期間限定で、建築家・萬代基介が設計する「AWT BAR」が南青山にオープン。安藤忠雄、川内倫子、田村友一郎、ミヤギフトシの4名のアーティストとコラボレーションしたオリジナルカクテルが提供される。

AWT BAR
田村友一郎とのコラボレーションカクテル

 ビデオプログラムにも注目したい。ドクメンタの芸術監督も務めたポーランド出身のアダム・シムジックによるキュレーションのもと、国内外17名の作家が参加するプログラム「Working,Crawling」が、会期中の10時〜18時に丸の内の三井住友銀行東館1館にあるアース・ガーデンで上映される。本プログラムのためにシムジックが推薦した作家と、AWTの参加ギャラリーが推薦する作家の作品をまとめて鑑賞する機会となる。

 ほかにも、日本の現代美術の文脈や歴史に焦点を当てた全4回のオンライントークを実施。第1弾は美術史家の富井玲子による「東京はどこにある?─日本の1960年代美術を『オペレーション』という概念から考える」としてすでに公開されている。第2回はダムタイプで活動してきた4名による身体についてのトーク、第3回は小池一子と菊地敦己による現代美術とデザインについてのトーク、そして第4回はロジャー・マクドナルドとアンドリュー・マークルをゲストに迎えた日本における地域アートについてのトークを予定。企画運営は、アーツイニシアティヴトウキョウ(AIT/エイト)が担当する。 

「東京はどこにある?—日本の1960年代美術を「オペレーション」という概念から考える」

 本イベントのモビールプロジェクト実行委員会委員であり、森美術館館長の片岡真実は、記者発表で「世界各地にアートフェアを始めとした、現代美術と世界中の人々が出会う機会が存在し、世界各地からコレクターや美術関係者が集まる。しかし、東京にはそういった機会を生む企画がなかった」としつつ、AWTが果たす役割についてこう語る。「アートウィーク東京がカレンダーに根づいていけばばいい。昨年の試行を経て、本格的に始動した今回。非営利と営利の活動をともに巻き込みながら、東京のアートのエコシステムをつくりだすことができれば」。

左から片岡真実、蜷川敦子、アデリン・ウーイ(アートバーゼルディレクター・アジア)

 また、ディレクターのTake Ninagawa代表の蜷川敦子も、本イベントについて次のように自信を覗かせる。「東京のアートシーンを形成する様々な場所を訪れることができる絶好の機会。昨年の初開催によって、AWTの知名度は広がり、美術館やギャラリーをはじめとするコミュニティを一緒につくることができた」。

 本イベントは来年以降も開催予定。秋の東京の定例アートイベントとしての定着を目指すとしている。

編集部

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