2022.1.7

ドローイングとは何か? PARCO MUSEUM TOKYOで鈴木ヒラク、村山悟郎、やんツーによる展覧会開催

渋谷PARCOにあるPARCO MUSEUM TOKYOで、鈴木ヒラク、村山悟郎、やんツーによる展覧会「Drawings – Plurality 複数性へと向かうドローイング<記号、有機体、機械>」が開催される。会期は1月21日〜2月7日。

鈴木ヒラク作品
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 ドローイングを軸にラディカルな実践を繰り広げている3名のアーティスト、鈴木ヒラク、村山悟郎、やんツーによる展覧会「Drawings – Plurality 複数性へと向かうドローイング<記号、有機体、機械>」が、渋谷PARCO 4階にあるPARCO MUSEUM TOKYOで開催される。会期は1月21日〜2月7日。

村山悟郎作品

 「Draw」(引っ張る)という動詞は、もともと「糸の操作」と「軌跡の刻印」といった手の行為を指しており、洞窟壁画から現代美術に至るまで、ドローイング行為は、普遍的かつ多様なものとして連綿と続いてきた。

 とくに2000年代以降、西欧ではドローイングの再定義・再評価が進み、今や単に下描きや紙への素描という意味を超え、それ自体がコンテンポラリー・ドローイングというアートのジャンルとして成熟しつつある。いっぽう日本のシーンは欧米の動向に肩を並べるほどではないものの、新たなドローイングを表現するアーティストが増えてきている。

 そうした現状を踏まえ、本展には鈴木ヒラク、村山悟郎、そしてやんツーの3名が参加。現代の日本においてラディカルなアプローチでドローイングの可能性に向き合う展覧会となる。

やんツー作品

 鈴木は1978年生まれ。ドローイングと言語の関係性を主題に、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなどの制作活動を行っており、環境に潜在する線的事象の発掘行為を通して、現代の時空間におけるドローイングの拡張性を探求している。

鈴木ヒラク

 1983年生まれの村山は、自己組織的なプロセスやパターンを、絵画やドローイングを通して表現。アーティスト・コレクティヴにおける社会制作の可能性を探る実践や、科学技術とコラボレーションしながらAIのパターン認識/生成の感性的理解を探るなど、表現領域を拡張している。

村山悟郎 Photo by Yoi Kawakubo

 やんツーは1984年生まれ。セグウェイが作品鑑賞する空間や、機械学習システムを用いたドローイングマシンなど、今日的なテクノロジーを導入した既成の動的製品、あるいは既存の情報システムに介入し、転用/誤用するかたちで組み合わせ構築したインスタレーション作品で知られている。

やんツー

 3人それぞれのドローイングがどのように相互参照され、そこからどのような差異が見いだせるのか。会場でドローイングの可能性を目撃したい。