東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで、ジョアン・ミロ(1893〜1983)の大規模回顧展「ミロ展―日本を夢みて」が開催される。会期は2022年2月11日〜4月17日。
ミロは1893年、スペイン・バルセロナ生まれ。幼いころから中世のフレスコ画やガウディの建築に触れ、その大胆なかたちと色に魅了されていた。故郷の風土に根ざした作品を制作する一方、1920年からはパリに出てアンドレ・ブルトンと親交を結び、シュルレアリスムの運動に参加。大戦中は戦禍を避けて各地を転々としながら制作を続け、1944年に陶芸と彫刻の制作を開始。1956年にマジョルカ島のパルマにアトリエを構え、彫刻、陶芸、壁画、版画、詩と多彩な芸術活動を行った。
「ミロ展―日本を夢みて」は国内では20年ぶりとなる大規模なミロの回顧展となり、約130点の作品と資料でミロを新たな角度から紹介する。
同展ではミロと日本との関係に焦点を当てることも特徴となる。ミロの日本における受容は早く、1930年代からミロの作品が紹介され、世界に先駆けて1940年にモノグラフ(単行書)が出版されるなど、早くからその活動が注目されていた。現在も日本各地の美術館が数々のミロの名品を収蔵されており、ミロと日本は深い関係にあるといえる。
会場ではミロの若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作を展示し、ミロと日本の関係に迫る。また、本人のアトリエにあった日本の民芸品や、批評家の瀧口修造との交流を示す多彩な資料を通してミロと日本のつながりをひも解くという。