本展は、時代の「音」や「声」をテーマに、多岐にわたる表現を紹介する。キュレーションは、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)代表で、インディペンデント・キュレーターの遠藤水城が担当。遠藤はこれまで、「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ」(2009年)、「国東半島芸術祭」(2014年)といったの国際展にキュレーターとして参加するほか、art space tetra(福岡)、Future Prospects(マニラ)など、数々のアートスペースの設立に携わってきた。
本展では、石を用いたインスタレーション作品などで知られるアーティストの大和田俊、幾何学模様の絵画作品を数多く手がける五月女哲平、シンプルな線描のドローイング作品を制作する本山ゆかりの3組が、新作を発表。また、14年に不慮の事故により亡くなった國府理が、東日本大震災に衝撃を受けて制作した《水中エンジン》(2012年)を、再制作し展示する。あわせて、小山市立乙女中学校の合唱コンクールの映像や、戦争柄の着物も展示し、「音」や「声」を通じて、さまざまな表現が互いに結びつき、あるいは切断される、複層的な展覧会を構成する。