滋賀立美術館、リニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」でコレクション代表作を一挙公開

今年6月に滋賀県立近代美術館から名称を変更してリニューアル開館した滋賀県立美術館。開館後、2弾目の展覧会として開催されるのが、リニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」だ。会期は9月18日~11月14日。

イケムラレイコ 思考 1985 滋賀県立美術館 (C)Leiko Ikemura and VG Bild Kunst 2021

 1984年に開館し、2017年から長期休館に入っていた滋賀県立近代美術館が今年6月、「滋賀県立美術館」としてリニューアル開館を迎えた。その開館後、第2弾となる展覧会としてリニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」が開催される。会期は9月18日~11月14日。

志村ふくみ 聖堂 1992 滋賀県立美術館 9月18日〜10月17日展示予定

 本展は、滋賀県立美術館が所蔵する日本画、郷土美術、現代美術、アール・ブリュットといった幅広いコレクション約1800件を中心に、選りすぐりの作品167件をジャンルや時代の区別なく紹介するもの。

 主な出品作家は、イケムラレイコ、アンディ・ウォーホル、小倉遊亀、河原温、草間彌生、アーシル・ゴーキー、澤田真一、志村ふくみ、白髪一雄、塔本シスコ、野口謙蔵、速水御舟、コンスタンティン・ブランクーシ、ジャクソン・ポロック、アンリ・マティス、横山大観、李禹煥、マーク・ロスコなど。

アンリ・マティス オセアニア 海 1946 滋賀県立美術館
アーシル・ゴーキー  無題[バージニア風景] 1943〜44頃 滋賀県立美術館
コンスタンティン・ブランクーシ 空間の鳥 1926(1982鋳造) 滋賀県立美術館

 同館設立のきっかけとなった小倉遊亀本人寄贈の作品22件は全点が展示される(会期中展示替えあり)。また、この度発見された小倉遊亀の代表作《裸婦》(1969年に焼失)の大下絵が公開。さらに、アンディ・ウォーホル2件20点や、2016年から収集を始めたアール・ブリュット作品など、コレクションの代表作と言えるものが一堂に会する。

小倉遊亀 月 1965 滋賀県立美術館
澤田真一 無題 制作年不詳 滋賀県立美術館

 本展では、ギャラリーを含めてすべての展示室を会場として使用。建物の特徴を活かした回遊式の展覧会は、滋賀県立近代美術館時代を含めて初の試みになるという。

 また今回は同館コレクションに加えて、3組のゲストアーティストによる新作も発表される。

 緻密かつ大胆なサーチを軸に多様な表現方法を展開する田村友一郎は、アンディ・ウォーホルの作品に表れるイメージそのものに着目し、そこから導き出した因果関係を多様なマテリアルにのせて交差させる。「うつす」行為を通じ、消えゆくものの価値に光を当てる中尾美園は、小倉遊亀をテーマに作品を残すこと/残ることの意味を我々に問いかける新作を展示。2004年に設立された建築家ユニットのドットアーキテクツは、休館中の学芸員たちの活動記録をベースにし、美術館の意外な景色を提示するという。

 美術館の顔でもあるコレクションとそれに呼応する新作を通じて、作品が発する「声」に耳をすませたい。

ドットアーキテクツ 展示イメージ図 © dot architects
重要文化財 不動明王二童子立像 鎌倉時代(13世紀) 玉蓮院(管理団体 延暦寺)
狩野派 近江名所図(重要文化財) 右隻 室町時代(16世紀後半) 滋賀県立美術館 10月19日〜11月14日展示予定
狩野派 近江名所図(重要文化財) 左隻 室町時代(16世紀後半) 滋賀県立美術館 10月19日〜11月14日展示予定
速水御舟 洛北修学院村 1918 滋賀県立美術館
野口謙蔵 村の子供 1932頃 滋賀県立美術館

編集部

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