日本を代表するクリエイティブディレクターのひとりとして知られる佐藤可士和(さとう・かしわ)の過去最大規模となる個展「佐藤可士和展」が、東京・六本木の国立新美術館で開催された。同展本来の会期は5月10日までだったものの、緊急事態宣言の影響で4月24日をもって閉幕。これを受けて、主催の国立新美術館・SAMURAI・TBSグロウディア・朝日新聞社協力のもと、その主な展示風景を掲載する。
1965年東京都生まれの佐藤は、多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業後、株式会社博報堂に入社。2000年には独立し、クリエイティブスタジオ「SAMURAI」を設立した。90年代から現在に至るまで、広告からブランド戦略まで幅広く手がけている。本展は佐藤自らがキュレーションした会場構成で、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介するものとなった。
展示は、幼少期のコラージュ作品や初めてコンピュータでデザインした作品《6 ICONS》などを通して佐藤の人物像に迫る「THE SPACE WITHIN」から始まり、SMAPのアルバム『S map / SMAP 014』のキャンペーンなどを展示する「ADVERTISING AND BEYOND」、多種多様な分野のロゴをインスタレーションとして展示する「THE LOGO」、平面のメディアに展開されるグラフィックデザインを紹介する「THE POWER OF GRAPHIC DESIGN」、セブン-イレブンや日清食品などのブランディングプロジェクトを概観する「ICONIC BRANDING PROJECTS」などで構成。佐藤可士和のクリエイティブディレクションの多彩な側面が紹介された。
このほか、会場には楽天のテクノロジーをテーマとして構想したインタラクティブデジタルインスタレーション《UNLIMITED SPACE》や、佐藤自身の「アイコン」とも言うべき2つのアートワークのシリーズを紹介する「LINES / FLOW」、「UT STORE」の国立新美術館バージョンである「UT STORE @ THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO」などが登場した。