アート界でNFT(非代替性トークン)ブームが加速化しているなか、世界初の美術館で行われる、クリプトアートにフォーカスした展覧会「Virtual Niche - Have you ever seen memes in the mirror?」が、3月26日から中国・北京のUCCA Labで開催される。
NFTとは、取引記録や所有権、真正性を検証できるブロックチェーン上で取引するために使用されるユニークな暗号通貨トークン。クリプトアートとは、無限に複製可能なデジタルアートをNFTに紐付けることで、作品が唯一無二の「一点物」の価値を生みだせるデジタルアート作品だ。
3月11日までに行われているクリスティーズのオンラインセールに出品された、デジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)のNFTに基づいたデジタルアート作品をはじめ、NFTを紐付けて数十万ドルの高額で落札されたGIF動画や家具デザインの作品が現在、アートマーケットで大きな話題を呼んでいる。
本展では、Beepleやロバート・アリスなど30人のデジタルアーティストによる60点以上のクリプトアート作品を展示。クリプトアートが持つ実用的な意味とは何か、また、この新たなカテゴリーのアートがポップ・カルチャーにどのように絡み合っているのかを探りつつ、インタラクティブで没入型の体験を提供しながら、クリプトアートへの理解を深めることを目指している。
展覧会の企画およびキュレーションを担当したクリプトアートのマーケットプレイス「Block Create Art」のCEO・孫博涵(ソン・ボーハン)は、本展についてこうコメントしている。「歴史的な観点から見ると、美術史におけるあらゆる重要な変化は、テクノロジーの発展と密接に関係している。今回は、ブロックチェーン技術の台頭により、クリプトアートのムーブメントが到来した」。
なお本展は、4月9日〜11日の会期で上海の敬華芸術空間で巡回展示される予定。NFTやクリプトアートのブームは、まだまだ続きそうだ。