洋菓子「シガール」で広く知られるヨックモック。その名を冠した美術館「ヨックモックミュージアム」が今年10月25日、東京・南青山に開館する。
同館は、ヨックモックホールディングス取締役会長で館長の藤縄利康が精選し、ヨックモックグループとして30年以上かけて集めたピカソのセラミック作品を中心に美術品を展示する美術館。すでに建築は完成している同館の、開館記念展が明らかになった。
開館記念展となるのは、「ピカソ:コート・ダジュールの生活」展(2020年10月25日~2021年9月26日)だ。
ピカソが本格的なセラミック制作に取り組むようになったのは、1946年に南フランスの町ヴァローリスを訪れ、陶芸家ラミエ夫妻と出会ったことがきっかけだった。
本展では、ゲスト・キュレーターにピカソ研究者の松井裕美(神戸大学国際文化学研究科専任講師)を迎え、第二次世界大戦後に始められたピカソのセラミック制作をコート・ダジュールでの生活と文化、人々との関わりを通して紹介するほか、ピカソによる平和活動への従事とセラミック制作との関係を紹介。ピカソが生きていた日常のうつりかわりと、ピカソの焼き物が日常生活にもたらそうとした革新とを、時代の流れとの関係のなかで描き出すことを目指す。
ヨックモックミュージアムは地下1階から2階までの3層構造。開館記念展は地下1階で行われ、2階ではヨックモックコレクションが展示される。