2017年にBunkamura ザ・ミュージアムで日本初の回顧展が行われ、今年1月には2度目となる回顧展「永遠のソール・ライター」展が開催された写真家、ソール・ライター。この「永遠のソール・ライター」展が、同じくBunkamura ザ・ミュージアムでアンコール開催されている。会期は9月28日まで。
同展は、17年の回顧展以降に発掘された作品を選び出し、豊富な資料とともに展示したもの。カラー・スライドなどが世界初公開され、大きな注目を話題を集めた。しかしながら、閉幕直前に新型コロナウイルスの感染が拡大。その影響で、展覧会は中止となった。
今回の展覧会は、この新型コロナがもたらしたものだ。作品の所蔵元であるソール・ライター財団があるニューヨークのコロナ被害が深刻なため作品返却の目途が立たず、作品は日本で保管されることとなった。財団はアンコール展を許諾し、今回の開催へとつながった。
本展では、ソール・ライター撮影の出展作品は2020年1月開催の「永遠のソール・ライター」展と同じ第1部「ソール・ライターの世界」と、第2部「ソール・ライターの仕事場(アーカイブ)をたずねて」の2部構成。
とくに第2部では、ライターがカラー作品を見ていた状況の再現を試みることで、当時のカラー写真が、どのように人々に享受されていたかをデジタル表現によって提示。またソール・ライターが焼き付けた写真を手で小さく破り、「スニペット」と名づけて愛好したものを展示。家族や恋人、知人、猫などの身近な女性を撮影したモチーフを見ることができる。そのほか、本展が初公開となったスケッチブックなど、貴重な資料も見逃せない。
なお、本展は2021年に美術館「えき」KYOTOで開催されることが決定している。