ファッションとアートの華麗な交流 横浜で見る文化の受容史

1859年の開港以来、西洋の文化を受け入れ、日本の文化を海外に送り出す玄関口としての役割を担ってきた横浜。横浜美術館では4月15日より、19世紀後半から20世紀前半のファッションと美術に焦点を当てた東西交流の軌跡を紹介する展覧会が開催される。

ターナー ドレス 1870代 京都服飾文化研究財団蔵 撮影=リチャード・ホートン

 明治以降の日本では、西洋からもたらされたファッションやライフスタイルが、急速に人々の暮らしに浸透していった。一方、西洋へは日本の美術品や着物が輸出され、ジャポニスムのブームが起こるなど、日本と西洋の双方にとって、海の向こうの人々は、自分たちのものとは異なる美術品で日々を豊かに彩る存在だった。

 本展では、横浜では初めての展示となる京都服飾文化研究財団(KCI)所蔵のドレスや服飾品約100点を中心に、国内外の美術館や個人が所蔵する服飾品、工芸品、絵画、写真など計約200点を展観。19世紀後半から20世紀初頭にかけ、ジャポニスムの影響を受けた西洋のドレスコレクションがKCIからまとまったかたちで公開されるほか、大小の菊花が刺繍でほどこされた豪華な昭憲皇太后の大礼服など、貴重な品々が並ぶ。

 日本と西洋、たがいがそれぞれの装いと生活の文化をどのように受容・展開し、新しい美を見いだしていったかをたどることができるだろう。(会期中、一部展示替えあり)

明憲皇太后着用大礼服(マントー・ド・クール) 1910頃(明治末期)
共立女子大学博物館蔵
ルネ・ラリック チョーカーヘッド《菊》 1900頃 箱根ラリック美術館蔵 撮影=近藤正一

編集部

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