明治以降の日本では、西洋からもたらされたファッションやライフスタイルが、急速に人々の暮らしに浸透していった。一方、西洋へは日本の美術品や着物が輸出され、ジャポニスムのブームが起こるなど、日本と西洋の双方にとって、海の向こうの人々は、自分たちのものとは異なる美術品で日々を豊かに彩る存在だった。
本展では、横浜では初めての展示となる京都服飾文化研究財団(KCI)所蔵のドレスや服飾品約100点を中心に、国内外の美術館や個人が所蔵する服飾品、工芸品、絵画、写真など計約200点を展観。19世紀後半から20世紀初頭にかけ、ジャポニスムの影響を受けた西洋のドレスコレクションがKCIからまとまったかたちで公開されるほか、大小の菊花が刺繍でほどこされた豪華な昭憲皇太后の大礼服など、貴重な品々が並ぶ。
日本と西洋、たがいがそれぞれの装いと生活の文化をどのように受容・展開し、新しい美を見いだしていったかをたどることができるだろう。(会期中、一部展示替えあり)