ASAKUSAが、現代美術による知と権力への批判について考察する上映会「(それほどまでには)統治されないための芸術」を開催する。
本上映会は、ミシェル・フーコーの講演録「批判とは何か」(1978年)を着想源に、ポーリン・ボードリ/レナーテ・ロレンツ、ジョシュア・オコン、ヒト・シュタイエルなど異なる視点から急進的な表明を行うアーティストたちの作品や参照資料を特設会場にて上映する。
また、本プログラムでは、ASAKUSAの招聘により来日したアーティストの作品制作プロジェクトも紹介。ジョシュア・オコンが都内で撮影したドキュメンタリー作品の上映や、ミヌク・イムのパフォーマンス、ミン・ウォンのトークなどを行う。
また、上映会と並行し、ジェイコルビ・サッターホワイトの個展「イロモノボンデージ」がASAKUSAにて開催中。本展では、精神分裂病の母親によって残された幾千のドローイングや奇怪なテキスト、謎めいた家庭用品や華美な製品の数々を投影。浮遊した建築物やゲイクラブで戯れる人々や自らのパフォーマンスなど、現実と幻視をコラージュしたユートピア空間を創造している。
なお、サッターホワイトの作品への参照点として、中世僧院における僧侶と稚児の交わりを記した鎌倉時代の絵巻《稚児之草紙》(複製)も展示。少年期における逃れえない状況や制度への順応をめぐる本展は、歴史を通じて隠匿された力の体系を示唆する。