文化の原型に揺さぶりをかける。鴻池朋子の個展「ハンターギャザラー」が秋田県立近代美術館で開催

日本の現代美術を牽引する作家、鴻池朋子の「狩猟採集」をテーマにした大規模個展「ハンターギャザラー」が秋田県立近代美術館で開催される。会期は2018年9月15日~11月25日。

鴻池朋子 「Hunter Gatherer」阿仁川上り映像より ©Tomoko Konoike

 鴻池朋子は1960年秋田県生まれ。絵画や彫刻などのトータルインスタレーションで現代の神話を表現し、民俗学や人類学とともに芸術を問い直してきた。近年の個展に「根源的暴力」(神奈川県民ホール、群馬県立近代美術館ほか、2015-17)、「Fur Story」(リーズ美術館、2018)、「Japan Spirits of Nature」(ノルディスカ美術館、2018)。著書に『どうぶつのことば』(羽鳥書店、2016)などがあり、国内外で精力的な活動を行っている。

 そんな鴻池の、秋田県では初となる個展「鴻池朋子 ハンターギャザラー」が秋田県立近代美術館で開催される。

鴻池朋子 「Hunter Gatherer」制作風景(毛皮なめし) ©Tomoko Konoike

 本展のテーマは「狩猟採集」。喰う動物たちの姿を描いた幅8×高さ6mのカービング(板彫り絵画)や、毛皮を用いた山脈の空間《ドリーム ハンティング グラウンド》などの新作を交えながら、人間が自身の生命を維持するために必要なエネルギーを「人間界へ引きずり込む」ことで発展させてきた「狩猟採集」を、芸術によっていかに解体し転換できるかを試みる。

鴻池朋子 「Hunter Gatherer」制作風景(カービング) ©Tomoko Konoike

 本展で、鴻池が作品を通してどのようにその「原型」に揺さぶりをかけるのか注目したい。

編集部

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