10年の月日を経て何を思う。
インターネットを司る、
再解釈された「ゴット」の現在地

エキソニモの作品《ゴットは、存在する。》に関連する「ゴットを、信じる方法。」展が、京都のARTZONEにて開催される。会期は5月19日〜6月3日。

撮影=国立国際美術館

 アートユニット・エキソニモと「ゴットを信じる会」による展覧会「ゴットを、信じる方法。」が、京都のARTZONEにて開催される。

 千房けん輔と赤岩やえによって1996年結成されたエキソニモは、インターネットの黎明期よりメディア・アート作品を発表。世界的な祭典「アルス・エレクトロニカ」で受賞を重ねるなど、現在はニューヨークを拠点に、国内外で活躍している。

  一方、「ゴットを信じる会」はデジタル技術に宿る精神性「ゴット」の存在を信じる匿名的な集団であり、エキソニモによる直接的な作品制作を伴わずに、現代におけるゴットを呼び出す儀式として《ゴットは、存在する。》における新たな作品を制作する。

撮影=国立国際美術館

 本展では、「ゴットを信じる会」が、インターネットを司る神、その精神性をテーマにしたエキソニモによる《ゴットは、存在する。(series)》(2009)をもとにした作品を発表。

 「ゴットを信じる会」は、コンセプトが先行したメディア・アート作品を再制作することは、オリジナルの作家がいない状態でも可能だとし、インターネット上にあふれる無数の情報や、実存する関連資料、過去の展示を知る観客の証言といった《ゴットは、存在する。》にまつわる確か/不確かな情報を用いて、作品分析、作品解釈を行った。

撮影=国立国際美術館

 インターフェイスやデバイスを使用した《ゴットは、存在する。》の再制作を試みたことで浮かび上がる、現代のインターネットを司るゴットは、果たしておよそ10年前からどのような変容を遂げているのか。ゴットの変容から、カオスな時代のこれからのメディア・アート作品や、作家のあり方についての考察を試みる。

 なお、会場であるARTZONEは京都造形芸術大学アートプロデュース学科が運営しているオルタナティヴ・スペース。本展は京都造形芸術大学アートプロデュース学科の4回生の学生による卒業制作にあたる企画で、出品交渉から概要や企画内容すべてが学生が行なっている。学生たちによるキュレーションにも注目だ。

編集部

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