「モボ・モガが見たトーキョー 」で振り返る大正・昭和の東京

「モボ・モガ」の略語で知られる、モダンボーイやモダンガールが闊歩したモダン都市、大正から昭和初期までの東京の変化を、当時の「モノ」から紹介する展覧会がたばこと塩の博物館で開催されている。会期は4月21日〜7月8日。

「東京小唄」楽譜 1930 提供=生田誠

 「モボ・モガ」ことモダンボーイ・モダンガールとは大正から昭和にかけて、西洋文化の影響を受け、流行の最先端を取り入れた若者を指す言葉である。

 本展は「モボ・モガの時代」「昭和モダンの終焉と戦争の時代」「終戦、そして焼け跡からの復興」という流れで構成され、世界的な金融恐慌(昭和恐慌)、満州事変、そして太平洋戦争開戦へと進む激動の時代の変遷を、「時代を映すモノ」とともにたどることができる。

 当時の日本は産業化が急速に進み、西洋的な生活スタイルが急速に一般化していった。その結果、大衆消費社会を迎え、多くの企業が「モダン」にこだわった商品デザインや広告を打ち出すようになり、東京がモダン都市として発展していくなかで、「モボ・モガ」が登場し注目された。

 会場では石鹸やシャンプーなどの生活用品から、「モボ・モガ」たちのファッションアイテムであったセイコーの腕時計まで多彩な資料を展示。当時使用されていた商品で、時代の空気感が堪能できる。

「花王シャンプー」 1932 (花王ミュージアム・資料室提供)

 また、大正時代はたばこの主流が細刻みたばこ(キセルで吸うたばこ)から紙巻たばこに変わり、新しい銘柄が数多く登場した時代でもある。会場では、そのパッケージやポスターも紹介されており、当時のデザイン界のリーダー的存在であった杉浦非水や、その弟子・野村昇など一流の図案家が手がけた、斬新でモダンなデザインが楽しめる。

「みのり」のポスター 1930

 大正時代から昭和初期、そして戦中の日本を舞台にした映画やドラマが数多く制作されている昨今。当時を「モノ」で振り返り、時代のライフスタイルを体感したい。

編集部

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