2018.3.28

近代日本女性画家のパイオニア。105歳まで絵筆をふるった小倉遊亀の回顧展が開催

1980年の文化勲章受章など、日本女性画家のパイオニアのひとりとして歴史に名を残す日本画家・小倉遊亀。その画業を展観する回顧展が新潟市美術館で開催される。会期は4月14日~6月10日。

小倉遊亀 兄妹 1964 滋賀県立近代美術館蔵
前へ
次へ

 小倉遊亀(1895~2000)は滋賀県大津市生まれ。一度は教職に就くが、絵に対する情熱たちがたく25歳で安田靫彦に師事、日本画家の道を歩みはじめる。31歳で院展に初入選、以後日本美術院を活動の場として105歳で亡くなるまで旺盛な制作をつづけた。

小倉遊亀 画人像 1962 滋賀県立近代美術館蔵

 小倉の画風は日本画の伝統を尊重しつつも、同時代の女性風俗、静物などを得意とするもの。女性ならではの細やかな観察眼と感性でとらえられた日本画世界を表出させた。

小倉遊亀 花屑 1950 滋賀県立近代美術館蔵(展示期間 5月15日〜)

 画家の故郷にある滋賀県立近代美術館は国内最大規模の小倉遊亀コレクションを所蔵。本展では同館の全面的な協力のもと、画家の抱いた三つの愛―日本画への憧れ、身近なものに向けた眼差し、愛する家族の姿―を切り口に、初期から晩年にいたる画業の全貌を紹介する。