伝統的な手法に加え、さまざまな手法を取り入れながら独自の日本画を作り上げた加山又造。1927年に京都に生まれ、祖父は四條・円山派の絵師、父は西陣の染色図案家という家庭で育ち、東京美術大学(現東京藝術大学)を卒業。97年に文化功労賞、2003年に文化勲章を受賞し、2004年に死去するまで精力的に日本画を描き続けた。国内はもとより、パリ、ロンドン、北京、上海など世界中でも個展が開かれ、国際的な評価を得ている。
そのような加山又造の作品を現代のクリエイターたちが「リクリエイト」する展覧会が、2018年4月11日から5月5日まで、東京・恵比寿のEBiS303 イベントホールで開催される。展示演出などを行う内海真人、特殊メイクアップアーティストのJIRO、女優の宮城夏鈴らが制作に関わっている。
この展覧会では、加山の青年期の作品や代表作の屏風、版画作品などを中心に、加山の作品をもとに現代のクリエイターたちによって作成された陶板やデジタル作品、映像などさまざまな趣向を凝らした作品が展示される。
巨大陶板作品《おぼろ》は2016年5月開催のG7伊勢志摩サミットの会場で展示され、話題となった作品。本展覧会では、この作品に映像演出で彩りを加える予定だという。
また、加山の代表作である身延山久遠寺の天井画《墨龍》を原寸大で会場の天井に再現するほか、特殊メイクアップアーティストのJIROが女優の宮城夏鈴の肌に直接レースの模様を描いて《黒い薔薇の裸婦》(東京国立近代美術館蔵)を再現した写真作品など、日本画の枠にとらわれない作品が発表される。
なお、3月14日に開催された記者発表では、加山の作品のラッピングカーも紹介された。このラッピングカーは展覧会会期中、会場1階にあるエビススバルビルで展示される。